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UEFA U-19ユーロ2026決勝 サッカードイツ代表vsサッカースペイン代表:ドイツの完敗と、キミッヒの後継者となりうるヘルタ・ベルリンの若手逸材ボリス・ラム


SPAIN vs GERMANY

Final 2-0

1st half 1-0 2nd half 1-0




Ⅰ. U-19ドイツ代表の完敗

7月11日、ウェールズで開催されていたUEFA U-19ユーロ2026の決勝が行われた。結果は先述の通り2-0。結果もそうだが内容でも完敗の試合だった。驚いたのはこの試合の3日後、7月14日に行われたW杯準決勝のフランス代表vsスペイン代表を予感させる様な試合内容だったことだ。終始、スペインがボールを握り、もし失えば素早い切り替えで奪い返す。あまりに見事な戦術だ。

とくにU-19ユーロ2026決勝で明確に差が出たのは、前半だった。この試合におけるスペイン代表は、4-3-3をベースとしつつ、保持時に3-1-4-2に代わる可変式を採用。4-2-3-1を基調とするドイツは序盤、防戦一方となり、5-3-1-1で守る形を強いられた。ただ、ドイツ代表が弱かったわけではない。そもそも、この試合は決勝。ドイツにも同年代を代表するようなタレントが揃っていた。

キャプテンのフランシス・オニェカ、右WGのモントレル・カルブレスというバイエル・レバークーゼンが誇る2人のタレントを中心に、ハンブルガーSVの若手CFオットー・シュタンゲ、ボランチのボリス・ラム、GKのフローリアン・ヘルシュターンなどは、次世代のドイツ代表を担ってもおかしくないタレントたちだ。それにも関わらず、試合中、ドイツにほとんど好機はなかった。

ドイツの攻撃は、ラムとカルブレス、右SBのラファエル・ペドロサが絡んで右から崩すか、中央でシュタンゲがキープから好機を作る以外に打つ手がなかった。とくに見事だったのは、シュタンゲ。今大会4得点を挙げた彼は、9分43秒に巧みにボールをコントロールしてシュート。29分33秒には、オニェカのロングパスに合わせて抜け出し、相手DF2人を背負いながら反転してシュートを放った。

しかし2つのシュートは、どちらも相手GKの正面に飛んでしまう。


Ⅱ. スペイン代表がみせた「完成度」

セビージャFCリーズ・ユナイテッドFCのユース年代を指揮した経験のある指揮官パコ・ガジャルドに率いられたU-19スペイン代表は、全く危なげのない完璧な試合運びを披露した。レアル・マドリードCFのユース選手を中心としつつ、アンカーのシャビ・エスパルトや左利きのCBアンドレス・クエンカなど、FCバルセロナの選手も擁した同チームの最大の魅力は肉体面の質の高さだ。

スペインは足元の技術の高さに反して、フィジカル面で劣っていたディスアドバンテージを埋めるための育成を間違いなく重視している。イングランドで指導に当たったガジャルドを起用していることはもちろん、マルク・ククレジャペドロ・ポロロドリといった選手がプレミアリーグで活躍している事実からも目を逸らすことはできない。U-19チームにしても、強度の高さは明らかだった。

19分45秒、エスパルトにドリブルで中央突破を許したシーンも、22分43秒、スペインの前線からのプレスにドイツが対処できなかったシーンも、ドイツが決してフィジカル面でスペインに優位性を取れていない確たる証拠となった。ドイツはスペインを模倣してポゼッションサッカーへと走ったが、ポゼッションの本質は、スプリント能力やデュエル勝率といったフィジカル面に実は依存する。

つまり、ドイツはフィジカル面でも優位に立てないうえ、足元の技術で相手に劣る致命的な状態に陥ったのだ。その究極系といえたのが、1失点目のシーン。42分35秒にドイツのゴールキックを回収したスペイン代表は、10番チアゴを中心に12本のパスをミスなく繋ぐ。ラストパスを受けた右WGのヤニェスが侵入し、彼のシュートがポストに当たって跳ね返り、飛び込んだロペスがゴールした。

2失点目は、さらに悲惨である。47分30秒にCBクエンカが左足から放った強烈なミドルシュートをGKが止めるも、その後のコーナーの流れから47分55秒にニアに詰めたCBマリオ・リヴァスがヘディングでゴール。つまり、ドイツは足元の技術に加え、発想やフィジカル面においても、相手に敗北したと同然の状態に陥ったのだ。何らかの改革が求められているのは間違いない。


Ⅲ. ボリス・ラム

Boris Chi Mamuzah Lum
所属クラブ:ヘルタ・ベルリン
生年月日:2007年 10月2日(18歳)
出身地:ベルリン, ドイツ
身長:173cm 利き足:右足
主なポジション:6番(守備的ミッドフィルダー)

スペイン代表に完敗を喫したU-19ドイツ代表だが、収穫がなかったわけではない。なかでもヘルタ・ベルリン所属のボリス・ラムは、ほとんど単機でスペイン人選手たちと渡り合った。CB間に降りてのビルドアップの動き、敵陣でインサイドハーフのような位置にまで進出して正確なクロスを供給する動き、肉体の強さを活かしてボール奪取。彷彿させるのは、ヨズア・キミッヒだ。

年齢を考えても、後継者候補として名乗りを上げてもおかしくないほどの完成度の持ち主だ。2016年に1.FCウニオン・ベルリンのユースから育成の名門ヘルタBSCへと移籍したラムは、2024年に銅のフリッツ・ヴァルター・メダルを受賞したことでもわかるように、ドイツ国内でも高く期待される。カメルーンの血も引くだけに、DFBは彼がドイツ代表を選ぶよう、全力で引き留めるべきだ。


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