ちょいちょい書くかもしれない日記(電話立て続け)
父の命日に御心を寄せてくださった方々にお礼状を書いたり、仕事のメールをてこてこ打ったりしていたら就寝がすっかり遅くなり、泥のように寝ていた午前8時過ぎ、施設からの電話で起こされた。
そういえば先だっての食事会で、あるときを境に、施設からの電話がすべて私にかかるようになった経緯を、弟からペラッと明かされた。
母の入居時、お金のことは私に、母の体調に関することは弟に、と電話のかけ先を取り決めてあったはずなのに、今は何もかもが私のところにストレートにかかってくるのを、ずっと不審に思っていたのだ。
ようやく理由がわかった。
どうも、仕事中は私用スマホを持ち歩けず、しかも父に似て短気な弟と、「いかなるときも電話にはすぐ出てほしい」という施設のとあるせっかちなスタッフの間でかなり剣呑な応酬になり、先方から「もう結構です。お電話はこの先、すべてお姉さんにさせていただきます!」と、私にとっては迷惑でしかない捨て台詞が飛び出す流れになったらしい。
そりゃ、弟は渡りに船とばかりに「どうぞ」って言うよね。ちくしょう。完全なる巻き込まれ事故ではないか。
私も別に暇なわけでは……まあ、午前中、弟よりは高確率で電話には出られるかもしれないが! 暇なのではなく、寝ているのだよ。
人のQOLを軽視するでない。
とはいえ、あちらも仕事。朝っぱらから電話してくるなら、それはたいてい火急の用であろう。
「ふぁい」とガッサガサの声で出たら、まあまあスリリングな事件が起きていた。
ついこの前作ったばかりの母の入れ歯が行方不明なのだという。
おいー!
それさあ。入れ歯を作ろうと思うって提案されたとき、私、念を押しましたよね。
「入れ歯の誤嚥を防ぐためには食事中の見守りがこれまで以上に必要になりますが、大丈夫ですか? ご負担が増えますよ」って。
そこはもう慣れているので、という話だったのでOKを出したらこれだよー。
「食事のときだけつけて目を離さないようにして、食べ終えたらすぐ外すので」と言っていたのに、「いつの間にかなくなっていた」と言われて、さすがにちょっと声が尖った。
少ないスタッフだし、複数人での対応が必要なアクシデントだって起こるだろうし、食事中に目を離さないというのは実際は無理じゃね? 誤嚥リスク、わりと高くね? と思ったからこそお訊ねしたのですが、と。
とはいえ、電話でグチグチ責めても意味はない。
不幸中の幸いで、今日は突き指の診察日だったので、そちらの主治医に相談して、誤嚥の有無を確認するべくレントゲンを撮ってもらった。
どうやら、消化管の中には入れ歯はいない模様。ホッ。
ということはおそらく、食事中に外れたのを、母のことなので「みっともない」と、ティッシュやお手拭きにくるっと包んでしまったのだろう。
そして、母は瞬時にそのことを忘れ、食後、ゴミとして片付けられてしまったに違いない。
今後どうするかは、訪問診療してくださる歯医者さんとまた相談することになった。やれやれである。
たぶん今日電話してきた人が、弟と揉めた人だろうなという感じがした。要点や結果を先に言わず、まずは長い言い訳を始めるタイプだ。
気疲れして寝直したら、今度は実家じまいのときにお世話になった不動産屋さんから連絡。
数日前、元実家のことを軽くお訊ねしたら、「いや、僕が責任を持って仲介したので、売却するなら僕に連絡がないはずがない」と仰せであったが、実はがっつり売却されておりました、ということだった。
とても恐縮されていたが、むしろ彼が傷ついたのではないかと心配になる。そういうこともあるさ。
というか、本来ならばもう「君は無関係やん」と言われても仕方がないことで、情報をある程度貰えるのはむしろありがたい。具体的なことは避けて教えてくれるのも、むしろ好感が持てる。
今度の売却先も筋のいい不動産屋さんで、おそらくとても規模が大きな会社なのだろう。
思ったとおり、これから長期にわたり、大規模な家屋の修繕とリフォームを行うらしい。それで家の価値をうんと上げて、改めて売却となるのだそう。
思いきった伐採は、やはり工事をスムーズにするためのものだったようで、なるほどスケールが大きい。
リフォーム額は、おそらくとんでもないことになる。
個人の財力では、とても不可能な額なのだ(一応、見積もりは取った。気絶するかと思った)。家がゆっくり衰えていくあいだ、ほとんど何もできなかった元住人としては本当にありがたい。
加えて当面、民泊にされる心配はなさそう。このまま安心安全信頼の……でお願いしたく。
なんにせよ、ひとまずはホッとした。
冷凍庫で細切れの鶏ももが霜に埋もれそうになっていたので、強引に下味をねじ込み、本日は親子丼。
冷凍庫の片付けを、さらに進めねばならぬ……。
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