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ちょいちょい書くかもしれない日記(千林商店街)

大阪でちょっとした仕事があったので、その前に、大阪のatelier眞空で開催中の、伊藤ゲンさんの個展「どうぶつ。」を見に行くことにした。
久し振りの谷町線。超久しぶりの千林商店街。
私は大阪の、昔ながらの商店街が物凄く好きだ。というより、猛烈に気持ちが落ち着く。
祖父母の家と祖父の診療所があった、今は亡き野里の商店街を思い出すからだ。
もちろん、今どきのお店もあれど、根強く残る昔からの個人商店を見ていると、子供の頃を思い出す。

ギャラリーは商店街からちょっとだけ離れた、住宅街の中にあった。
白い壁と梁の濃いブラウンがよく調和して、落ち着いたいい空間だ。
伊藤さんのノスタルジックな絵にとてもよく馴染む。
入り口近くの、今回のテーマである動物の人形たちの絵が置かれていた。
私がいいなと思った横倒しのうさこは既に売約済みで、「そうだよねいいよね!」とちょっと嬉しくなる。
「とてもいいけど、うちには私の大事なカエルちゃんがいるからな……」と思っていたカエルのぬいぐるみの絵を、ちょうど居あわせたお客さんがお買い上げで、その素晴らしきセンスに心の中でめちゃめちゃに拍手を送った。
私はアーモンドグリコの小さな絵を買わせていただいた。
小さい頃の贅沢おやつである。
日曜日の夕方までやっているので、ご都合のつく方は是非、足を運ばれたし。
ただし、火曜と水曜はギャラリーがお休み。ご注意を。

これから仕事先に行くというのに、駅に戻る途中、商店街の八百屋さんであまりに見事な能勢のトマトを見てしまい、「これはほんまにええトマトですね!」と絶賛しながら買った。
樹脂製の青いザルに、お尻を上にしてギュッと詰めてあるのが、もう死ぬほど懐かしい。
お店のお兄さんが、「そない褒められたら、俺が作ったわけやないけど気持ちようなってまうやん~」と笑いながら、長ナスを1本、サービスしてくれた。ありがてえ。
さっきギャラリーに入ったときもだが、例によって、電車に乗ったタイミング、仕事先に到着したタイミングで、ぶわーっとのぼせて汗がだくだく流れてくる。
もう本当に嫌、この時間差発汗。
「まずは涼んで! 冷たいお茶飲んで!」と仕事先のはじめましての方を慌てさせてしまった……。申し訳ない。
帰りに阪神百貨店に寄り、大好きなフラネルのクリームパイを買ったのだが、私が注文した直後から、ガラスケースがとんでもなく曇って、中がまったく見えなくなった。
どうやら原因は、すぐ上にあるエアコンの吹き出し口から、湿った生あたたかい風が突然放たれ始めたことにあった模様。
雨の日に、車の窓が曇るのと同じ感じか~! と妙な感心をしてしまった。
店員さんたちも、あとから来たお客さんたちも「はわわ……」となっていた。

夕方に帰宅したら、山のあちこちから霧が吹き出し、うちの庭土も軽く湿っている。
あ、雨が降ったんだ、でもこれじゃすぐ乾いちゃう、足りないな……と思っていたら、夜更けになって再びの雨が来た!
慌てて雨水を溜めておくゴミバケツの蓋を開け、バケツを並べ、ついでというかそちらが本命というか、雨水に乗って押し寄せる上流からの落ち葉で、既に大変なことになっていた溝を掃除した。
こればかりは、元気よく水が流れているうちにやってしまわないと。
当然ずぶ濡れになり、ボタボタ水を落としながら家に入った途端に、雷が鳴り響き始めた。ギリギリセーフである。
そのままシャワーを浴び、朝の水撒きをさぼれる喜びを噛みしめた。
バケツも全部満杯。たった数日分であっても、水道代を考えずに撒ける水があるのは嬉しいことだ。

夕食は、阪神百貨店で買った鰻弁当と、ロックフィールドのお姉さんたちが揃って「美味しい!」と太鼓判を押していた、海老のパリパリ揚げスイートチリソースがけ(みたいな名前のやつ)、グリーンサラダを食べた。
父の命日が近いので、代理で大好物の鰻を食べておいたのだ。
海老のパリパリ揚げは本当に美味しかったが、パリパリ感は言うほどはなかった。
要は、叩いたエビを餃子かワンタンの皮で包んで揚げた奴なので、時間経過と共に、具のあるところは湿って柔らかくなる。継続してパリパリしているのは、グローグーの耳にあたる部分だけだ。
お酒には凄く合うと思う。あと、スイートチリソースのかかり加減が絶妙。
もっとたっぷりかけたくなるところを、このくらいに留めたほうが、味が均一にならなくていい……といういい塩梅である。
開発時、ソースの量をだいぶ調整したんだろうなと思いながら食べた。
食べながら、3年前の今日のことを思い出したりしていた。
入院中だった父が、最初の急変をした日だった。誰よりも早く、父から死のにおいを嗅ぎつけてしまった日でもあった。
原稿のために、思い出したことをノートに書きつけながら、たいそう行儀の悪い食事をした。
箸は左手、ペンは右手なので、「食べながら書く」のがあまりにも容易なのである。
医学生時代にうっかり身につけた、私のよろしくない癖。


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椹野道流 こんなご時世なのでお気遣いなく、気楽に楽しんでいってください。でも、もしいただけてしまった場合は、猫と私のおやつが増えます。