『ホームにて』(中島みゆき) ショートストーリー&ギター弾き語り方解説
ギター弾き語り解説は下の動画をご覧ください。
【ショートストーリー】
駅のホームに、ひとりの男が立っていた。
ネオンの街での暮らしに疲れ、ふと「帰りたい」という想いが胸を突いた。
「最終列車に乗れる人は急ぎなさい」駅長のやさしい声が拡声器から流れる。
振り返ると、空色の汽車が、まるで彼を待っているかのようにドアを開けていた。
街に置き去りにしてきたものは、飾り荷物のようなものだと気づく。
肩書きも、豪華なスーツも、失敗や後悔さえも――全部降ろしてしまえば軽くなる。
あとは、ふるさとへ向かう切符一枚だけ。走れば間に合う。
それなのに、彼の足は一瞬だけすくんだ。
窓の中には、すでに帰り人たちが笑顔で座っている。
その光景が、胸をあたためると同時に、なぜか涙を誘った。
「どうしてこんなにも遠回りをしてしまったんだろう」
心の中でつぶやきながら、彼は窓ガラスを叩く。
掌に残ったのは、白いけむりと小さな乗車券。
都会のネオンライトでは燃やせない想いがある。
それは、子どもの頃の笑い声、祭り囃子、母の手料理の匂い――
心の奥にしまい込んだ記憶が、今夜だけは鮮やかに蘇っていた。
ホームの果てに立ち尽くす彼の心は、まだ迷っている。
だが、汽車は今日も、ふるさとへと走り続けていた。
――そして彼は、次の最終列車こそ逃すまいと、強く切符を握りしめた。
【終わり】
【ギターで歌おうch】は、ギターに再挑戦するシニア向けのギター弾き語り講座です。
むかしギターを弾いたことのあるあなた、もう一度弾き語ってみませんか。
歌詞とギターコード付き(動画と説明欄)で弾き方等を解説しています。
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【ギターで歌おうch】小暮貢朗
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