椿山荘の料亭松平

幾層もの瑞々しい5月の光を含んで揺れる楓の新緑が、手を伸ばせば触れられるすぐ頭上で天幕のように枝葉を伸ばした席。エスプレッソを頼んだあと、彼は椿山荘の料亭松平の広い庭園を眺めていた。池の畔では、雰囲気からおそらく鹿児島と東京の人々が集まり披露宴の真っ只中のようで、人から龍の姿に変化して記念撮影に応じる新郎に賑やかな歓声が湧いている。彼から少し離れた楓の下の席に、何かが一瞬金色に光るように見え、龍族側の1人と思われる制服姿の少年が美しく退屈そうな顔に頬杖をついていた。


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