来たる刎頸の直前
来たる刎頸の直前、天草四郎時貞は殺戮の坩堝と燃え盛る原城の天守奥深くに消え籠り、伴天連から秘かに伝わりたる禁絶の儀式を為遂げた、という噂が乱の後しばらく囁かれた。その風聞も早廃れて五十年、徳川遠縁の遺児だという以外素性がない、類まれなる美貌艶軀を持つ小姓が江戸城に現れる。この世の理外が生み出したるがごとき魔淫の化身を巡り、徳川将軍家、重臣、剣豪達による血戮凄絶なる殺弑し合いが始まる。
来たる刎頸の直前、天草四郎時貞は殺戮の坩堝と燃え盛る原城の天守奥深くに消え籠り、伴天連から秘かに伝わりたる禁絶の儀式を為遂げた、という噂が乱の後しばらく囁かれた。その風聞も早廃れて五十年、徳川遠縁の遺児だという以外素性がない、類まれなる美貌艶軀を持つ小姓が江戸城に現れる。この世の理外が生み出したるがごとき魔淫の化身を巡り、徳川将軍家、重臣、剣豪達による血戮凄絶なる殺弑し合いが始まる。