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科学館レビュー21:仙台市科学館(宮城県仙台市)

◆ポイント◆

  • 2025年4月に全面リニューアルオープン

  • 他の科学館ではあまり見かけない、独自性のある展示内容

  • 地域性も感じられる、圧倒的な標本展示


2025年9月の祝日に訪問。実は2024年にも訪問したのですが、その時はリニューアル工事中で一部エリアしか見られなかったので、今回満を持してリベンジです!

前回訪問時はスリーエムがネーミングライツを取得していましたが、
2025年4月からは「HOKUSHU仙台市科学館」に変わっています。

内容

あくまで個人の主観です。

 全分野まんべんなく取り扱っている印象で、東北地方を代表する総合科学館と言えそうです。

独自性★★★★★

 総合科学館ということもあって幅広い内容を扱っているので、とがった分野に特化しているわけではないのですが、他の科学館ではあまり見かけないような、趣向を凝らした展示が多くある印象です。

「科学の探求」エリア。空間デザインも素敵!

 たとえば、音で砂の模様ができる展示(下図左上)、他の科学館では自分で砂をまくために砂がほとんどなくなっていたりしますが、ここでは砂が落ちないようになっているうえ、密閉されているので騒音を感じずに大きな音を与えることができるため、くっきりした模様が観察できます。背景が白で砂が黒なのも地味に工夫されていますね。
 浮力の実験(下図右上)では、自分で天秤を上下させながら、水中に沈めた際に働く力を観察しながら考えることができます。

個人的に気に入った展示たち

 上図の下半分の写真は、中が真っ暗で何も見えない装置です。単純ですが本当に「闇」が広がっており、おもしろく感じました。

地域性★★★★★

 仙台にちなんだ展示も多数あります。気象や地質、生態系に関する内容のほか、仙台で行われた研究についてのパネル解説など、分野も内容も充実しています。

地元ならではの展示内容も豊富。

現物展示★★★★☆

 この科学館のイチオシ展示スペースが、4階にある「宮城・仙台の自然」コーナーかもしれません。数も大きさもデザインも、地域の科学館としては圧倒的な内容です。
 標本は透明な樹脂に入っていて、さまざまな角度から見ることができるうえ、展示スペースが迷路のようにもなっていて、階段に上って上から眺めてみたり、下からのぞき込んだり、子供も楽しみながら接することができそうです。

超充実の展示内容。好きな人はここだけで何時間も過ごせそう。

最先端★★★★☆

 仙台には東北大学やナノテラスなど、国際的にも最先端の研究が行われている場所が多数あります。「連携ラボ」コーナーでは、そんな最先端研究の一端に触れることができます。

難しい内容を簡単にかみ砕いて紹介。

対象・客層

あくまで個人の主観です。

文系でも楽しめるか★★★☆☆

 仙台市は、東日本大震災で大きな被害を受けた場所でもあります。自然・災害など、暮らしと密接に関わる科学についての内容もあり、文理関係なく学びを深めることができると思います。

地震体験装置

理系でも楽しめるか★★★★★

 先にも述べましたが、他の科学館ではあまり見かけない展示内容が多くある印象です。万能指示薬に酸性/アルカリ性の液体を滴下して色の変化を観察したり(下図左上)、化学成分を混ぜ合わせて香料を調合したり(右上)、元素の炎色反応を見たり(左下)、分子模型で遊んだり(右下)、理系でもワクワクする内容がたくさんあります。

こんなに王道「化学」を扱っていて、しかも目の前で現物を体験できる科学館は珍しい気が。

 また、巨大な実物周期表がエリアの真ん中にあります。ランタノイドなど周期表後半の元素についても、単体とその試薬が展示してあり(酸化ルテチウム(III)など)、テンションが上がります。操作パネルをタッチすることで解説が読めるほか、元素によっては光ったりもします。

実はこの裏側にもう一つ同じ大きさで、電子配置について解説している周期表もあります。

大人も楽しめるか★★★★☆

 大人でもこれまで知らなかった内容が多く見つかるはずで、体験しながら改めて科学に触れられます。展示によっては、QRコードでさらに詳しい解説を読むことができるものもあり、満足できる内容かと思います。

エレベーターやエスカレーターは一部透明になっていて中を見ることができ、これもワクワクを掻き立てられます。

子供も楽しめるか★★★★☆

 科学館のコンセプトが「ふれる科学、ためす科学」ということで、実際に自分の手で体験しつつ、楽しめる工夫が施されています。どのコーナーもまんべんなく人気のようでした。

3階は身の回りの不思議に関連した展示で、子供たちに大人気

イベント・設備

サイエンスショー・実験教室★★★★☆

 「チャレンジ・ラボ」のコーナーでは、平日も含め毎日ワークショップが開催されています(科学館入館料のみで参加費は無料)。不定期でサイエンスショーも行われているようです。

スタッフも充実。

プラネタリウム★☆☆☆☆

 この規模の科学館にしては珍しく、プラネタリウムはありません。市内には「仙台市天文台」があり、そちらに機能を譲っているようです。

お土産コーナー★★★☆☆

 こちらのコーナーは4月のリニューアル対象外だったようで、ほんのり歴史を感じます。

「売店」。なぜか水族館のようなグッズが並べてあったり、独特の雰囲気です。

その他カフェなど★★★★☆

 館内4階に喫茶コーナーがあり、飲み物や軽食などをとりつつ休憩できます。

ここもちょっぴりレトロ。土日祝のお昼のみ営業です。

基本情報

広さ★★★★☆

 延床面積は12000㎡以上ありますが、1・2階は収蔵庫や実験室・研究室で入れないエリアがほとんどなので、上記のほぼ半分の広さです。

入り口は3階です。実は1・2階に降りることは可能で、昔の電話や動物の剥製が展示されています。「理科室のにおい」がします。
屋外エリアにはひっそりと「岩石園」もあるので、ここも要チェック

交通の便★★★★☆

 地下鉄の旭ヶ丘駅から徒歩約5分。まっすぐ進んだ先なので、迷うことはなさそうです。

所要時間★★★☆☆

 メインは2フロアしかありませんが、ひと通り見て体験するためには、半日ぐらい必要な気がします。

展示の配置が工夫されているのか、広々と感じます。

 展示内容に工夫が感じられて、王道なのにとても楽しめる、理想的な科学館だと思います!
 しいて改善点を挙げるとすれば、
・入り口が自動化されていない点(お姉さんがチケットを目視でチェックするのですが、トラブル対応などで席を外すタイミングもあり、大丈夫かな…と心配になりました)
・「ワンダータワー」というボールが転がっていく、他でもよく見かける装置があるのですが、結構な頻度でボールが詰まっていた点。(見つけ次第、巡回スタッフさんが対応していました。ボールが軽すぎるのでしょうか?)
・売店のクオリティ(展示室と比べるとどうしても見劣りしてしまう…)

 広い屋外エリア(南広場・自然観察デッキ・岩石園など)も、もっと何かしら有効活用できるといいですね。あと、プラネタリウムは市内にいくつあってもいいと思いますし、天文分野ももっと扱ってもいいと思います!!

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