彼岸花


今年も川べりにたくさんの彼岸花が咲いていた。
彼岸の言葉から少し自身のことを書いておこうと思った。
夕方前川を見ながら遊歩道を歩いていると、気持ちよくなった風と低い日の光に意識が向かう。
先日そこで立ち止まりながら、こころの底から感じた事があった。
果たしてわたしは自分のこれまでの苦しさをきちんと味わってきたのだろうかと。
いつからか客観視することで感情曲線を戻すという事ができるようになっていた。ただそれは自覚が中途半端だったといつも思う。
ましてそれ以前、子供の頃からを考えればただやり過ごしてきただけなのだ。
わたしは苦しみを鎮めそして沈めていただけではないか?と感じた。
足りなかったのはその苦しみを十分に自覚して更に味わう事だった。
きちんと泣く事だった。
その上で自然に湧き上がる客観視や俯瞰視に頼り、戻ってくる事だった。
これは鎮め沈めたものに成仏してもらう事なのだと、わたしは思っている。
あるいは鎮め沈めたものの霊を放す事と言ってもいい。
それでも身体の状態は元には戻らないだろう。心身は連動すると言っても、さすがにこの身体では無理がある。そもそも何かの見返りを期待するものでもあるまい。
風に揺れる彼岸花。
わたしが鎮め沈めたものは、うまく彼岸に行けるだろうか。
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