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砂場ボコボコ事件

同窓会って面白い。

同級生の現在の姿に数十年前の片鱗をみつけて
わいわいビックリし合うのはもちろんのこと、
いちばん面白いのは「思い出のズレ」だ。

どういうことか、説明させてくださいね。
私の場合「砂場ボコボコ事件」

先日、小学校のクラス会で顔を合わせた懐かしいマブダチ達に聞いてみた。
半世紀前、私の身に起こった「世紀のできごと」を覚えているかって。

当時、転校したて、
新しい環境に馴染めず、オロオロしていた頃。
ブラジル帰りの変な子だった私は浮いていたのだと思う。特に同じクラスの男子2人からよく絡まれていた。ある日、困り果てた末、自分ではどうすることもできなかったそのことをひとりの女の子(クラスの親分格)に訴えた。

「なにぃ!」と
私の窮状を聞いて憤慨した彼女、
「任せておけ」とばかり
即行、その日の放課後、男子2人を校庭裏の砂場に呼び出した。

そこから先はまるで早回しビデオ

目を丸くするだけで、立ちすくむ私の目前で、
親分女子はいじめっ子男子2人をボコボコにした。

圧勝。

まるでウルトラマン 対 弱虫怪獣のような戦果。
仮面ライダーはまだ登場していなかった時代だが、、いや、ともかく胸の空く快挙であった。
その後、いじめっ子男子達が私に構うことは一切なくなったこと言うまでもない。

と、こんな
私にとってその後の「小学校ライフ生き残り」に関わる一大事の当事者達に
覚えてるよね?

え、あ、いや、、

半世紀前のもといじめっ子オジサン、この件を覚えていなかったばかりでなく、
なんと怪傑ウルトラマン女子(今や上品な奥様)まで記憶に無い!と。

え、なんで?

いや、あの時、こうだったでしょ、ああだったでしょと迫っても、甲斐なし。
歴史上の出来事(私の人生で、たった1回私のために起こった「おお立ち回り」)が消え去っているのである。 (大袈裟だね)

どうして?
と言ってもどうしようもない。

ところがその後、
この反対もあることがおいおいわかってくる。
つまり、
他人の覚えていることを、私が覚えていないのだ。「だって、あの時、あなた〜したでしょ」と言われてポカ〜ンとする。
「なんで覚えてないのよ!」と責められ、自分の記憶力にがっかり。

よくあること、と言えばよくあること。
笑い話。

つくづく
記憶は、ミステリアス。コントロール不能。
自分で思い込んでいた自分=自分でなかったとしたら?
結局、「自分」って
自分が作り上げた世界の中で信じているだけで、自分がこうあって欲しいと思っている自分だったとしたら?

と思ったとたん、
いきなり、世界がフワフワしてきた。
つかみどころがなくなってきた。

いかんいかん、
歳を重ねるごとに、つまらんことに気を取られるようになっている?

長生きしたい?不老長寿?
とんでもない。

世界が私と同じ歩調で寿命を伸ばしていくことができなければ、私ひとり歳を取ってどうするのだ。
自分が誰なのか、確かめ合う相手がいなくなった世界で?
ひとりで?

そんなこと考えながら歩いてた、
クラス会の帰り道。

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