Photo by
kohki_shiraishi
第1章―1 突然の宣告──『まさか私が』信じたくなかった診察室の言葉
もし、明日突然「がんです」と言われたら――
あなたなら、誰に最初に伝えますか?
胸に小さなしこりのような違和感を覚えたのは、いつからだったんだろう。
忙しい毎日の中で、最初に感じた時期さえ思い出せない。
朝は子どもを起こして朝食を作り、学校へ送り出し、そのままパートへ向かう。
帰ってきたら買い物、洗濯、夕飯の支度、宿題を見て、お風呂に入れて、寝かしつけ。
母親に「休み」はない。
どこか体調が変だなと思っても、「明日でいいか」と思いながら、気づけば1週間、1ヶ月、1年が過ぎていた。
胸の違和感を感じてからも、私は「大丈夫」と自分に言い聞かせていた。
ホルモンのバランスが悪いのは昔からだし、胸の張りなんて生理前にはよくあること。
そんなふうに、都合よく自分を納得させていた。
それでも、どこかでずっと、心の奥に小さな不安はあった。
お風呂上がりに鏡の前に立つたび、そっと胸を触る自分がいた。
「大丈夫だよね」
毎回そうつぶやきながら、何も変わらない日常に逃げていた。
ある朝、いつも通り子どもを学校に送り出した後、私はいつものようにコーヒーを淹れた。
だけど、その日だけは胸の奥にジンジンとした熱を感じた。
触ると少し熱いような気がして、鏡を見たら、胸に赤い小さな湿疹ができていた。
ここから先は
1,550字
この記事のみ
¥
1,000
Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで
あの日、乳がんと告げられてからの物語
1,000円
「乳がんです」あの日から、私の心は嵐のように揺れ続けています。 どうして私なのか、という怒り。 怖くて眠れない夜に押し寄せる絶望。 それで…
Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
