理想ばかり追って苦しくなるあなたへ──“現状のメリット”に気づくとき、心が整い始める
■「変わりたいのに、変われない」の裏側にあるもの
「もっと自信を持ちたい」
「もっと自由に生きたい」
「こんな生活、もう抜け出したい」
そんなふうに理想を思い描いては、うまくいかない現実に落ち込んで、気づけばまた自分を責めている。
そして、そんな自分にムチを打って、無理に行動しようとしては空回り。
結果が出ず、ますます落ち込んで…
そんな“負のスパイラル”を、私も何度も経験してきました。
でもあるとき、心理ワークを通して、初めて気づいたことがありました。
「私、変わりたいって言いながら、実は“今のまま”にもメリットを感じてたんだ…」
変わりたい!と言いながら、心のどこかで変わりたくないと感じていた。
そんな“もうひとつの本音”に、私はまったく気づいていなかったのです。
現状にとどまることで得ていた「安心感」や「コントロール感」。
理想に向かうことで背負う「失敗のリスク」や「人の目」。
それらはすべて、意識の奥深くで私を守っていた“メリット”だったのです。

■現状にも、ちゃんと「メリット」がある
たとえば私は、ずっと「一戸建ての広いマイホームがほしい」と思っていました。
狭くて古い賃貸アパート。
お風呂やトイレも小さく、キッチンもおしゃれとは言えない。
洗濯物は小さなベランダにギリギリ干していて、SNSで見る素敵な暮らしに憧れる毎日。
それなのに、私たち夫婦は「マイホームを買おう!」と本気で動くことがない。
そんな自分たちに、もどかしさすら感じていました。
でもある日ふと、問い直してみたんです。
「本当に私は、マイホームを“心から”欲しがっているのだろうか?」
そして、“現状”と“理想”の両面を書き出してみたところ、こんなことに気づきました。
【今の賃貸アパート暮らし】はたしかに、不便な面もあります。
けれど、住み替えが自由で、家に縛られない「身軽さ」がある。
固定資産税や修繕費もいらず、「失敗したら引っ越せる」という安心感もある。
つまり、不自由に見える現状も、実は私たちにとって都合がよかったのです。

■理想にも「デメリット」がある
一方で、憧れの【マイホーム】には、
広い家・理想の間取り・庭つきの暮らし…たしかに魅力はたくさんあります。
でも、住宅ローンや税金、自治会やご近所付き合い、
そして「簡単には手放せない」というプレッシャーもセットでついてくる。
長く住み続ける責任や将来の修繕コストなど、現実的な“重さ”もありました。
こうして理想の裏側も見つめたとき、
「私が本当に欲しかったのは“マイホーム”ではなく、“安心できる暮らし”だったんだ」
そんな本音が、静かに見えてきたのです。
■“両面”を見て、心が静かに整っていく
心理学のワークの中に、「現状のメリット」と「理想のデメリット」を書き出す、というシンプルなものがあります。
でも、これがとても深く、自分の心の奥にある声に触れられる方法でした。
現状にとどまっていることで得ているものは?
理想を叶えたときに、失うかもしれないものは?
両面から見ていくことで、それまで「理想を叶えなきゃ」と思っていた私に、少しずつ“余白”が生まれてきたのです。
「あれ? 意外と、今のままでも悪くないって思ってたんだ」
「変わらなくてもいい部分もあったんだな」
そう気づいたとき、張りつめていた心がふっとほどけました。
理想への執着がやわらぐと、視野も広がります。
そしてときには、思ってもみなかった場所に、理想以上の答えがあることもあるんです。
実際、今の私はというと、地方の田舎に引っ越して「賃貸の一戸建て」で暮らしています。
マイホームでもなければ、アパートでもない、新しい選択肢。
でも、住み心地は最高です。
■自分の心を、丸ごと引き受けるということ
理想に向かうことは、大切なことです。
でもその前に一度立ち止まって、
「今の状態にも、ちゃんと意味がある」
そんな視点を持つことも、とても大切です。
変わりたくない、という気持ちがあるなら、それもちゃんと受け止めてあげる。
「頑張らなきゃ」「変わらなきゃ」と無理に前に進もうとするのではなく、
いまここにある“本当の自分”の声に、そっと耳を傾けてみる。
“両面を見る”というのは、
どちらが正しいかを決めることではなく、
「どちらも、私の一部だ」と認めてあげることなんです。

■あなたも、自分の“両面”に気づいてみませんか?
「理想を追いすぎて苦しくなる」
「変わりたいのに変われない」
そんなときは、心の奥に“今の自分を守っている気持ち”があるのかもしれません。
焦らなくても大丈夫。
まずは、あなた自身の心の声に、そっと寄り添ってあげてください。
このnoteでは、そんなふうに
“本当の自分”に近づいていくヒントを、今後もお届けしていきます。
