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ハッピーライティングマラソン9「届いていたんだ、と気づけた日」

夏休み中の今日は校内研修の日。
全職員で一クラスを模した模擬学級会を行い、役員の先生方が司会や書記、その他の先生方は児童役。私は当然、一般児童役で参加した。

めあては「発言すること」。
だから、私もちゃんと手を挙げて、自分の考えを言った。
それでも、私の意見は採用されなかった。
会の終盤、担当の先生が「意見が採用されなかった人に質問します」と言ってくださったけれど、そこでも私は呼ばれなかった。

「まあ、そうよね」と思いながらも、正直ちょっと寂しかった。
というのも、こういうことが重なるから。
昨日の出張の配車計画にも、私の名前はなかった。
健康診断も申し込まれていなかった。
今日配られた運動会の資料にも、私はいなかった。
アレルギーのせいだけど、昼食はいつも一人で……。

この学校へは週に2回しか来ていない日本語指導教員のわたし。
毎日違う学校に出張するという仕事柄、職員室で過ごす時間も少なく、全体の輪に加わることも難しい。
だから「忘れられること」「名前がないこと」には、もうある程度慣れているつもりだった。
それでも、何度も重なると、心がじんわりすり減っていく。
「私は、ここにいてもいなくても、あまり関係ないのかもしれない」
そんな気持ちになる日もある。

それでも今日、最後の講評で、指導者の先生が言ってくださった。

「“カラオケはちょっと恥ずかしいでので~”という意見もありましたね」

その一言に、私はハッとした。
それ、私が発言した意見だった。
誰にも拾われずに通り過ぎたと思っていた声。
それが、最後にふっと取り上げられた。

私の名前が出たわけじゃない。
「誰が言った」と明言されたわけでもない。
でも、私はすぐにわかった。
ああ、それは間違いなく、私の意見だ。

ほんの一言。でも、胸が熱くなった。
誰にも聞かれてないと思っていた私の声は、ちゃんと届いていた。
そこに、確かに「私」がいたという証のようなものだった。

たったそれだけのこと。でも、その一言が、今日の私を支えてくれた。

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