入らなくて亡くなった人はいない
介護の現場でよくあるやり取り。
「血圧が高いので今日は入浴中止にします」
安全のため。
もちろん大事な判断だ。
でも一方で、こんな場面もある。
入浴拒否の利用者様。
どうしてもお風呂に入ってくれない。
そんな時、あるドクターがぽつりと言った。
「お風呂に入って亡くなった人はいるけど、
入らなくて不潔で亡くなった人はいないよ」
一瞬、現場が静かになった。
…確かに。
安全管理も大事。
でも、生活の中でのお風呂って何だろう。
体を清潔にするためだけではない。
気持ちがいい。
さっぱりする。
リラックスする。
ただ、それだけのこと。
血圧。
リスク。
事故防止。
もちろん必要な視点だ。
でも、そこばかり見ていると
生活の一部だった「お風呂」が
特別な行為になってしまう。
今日も現場では
「血圧」と「生活」の間で
小さな葛藤がある。
介護の世界に正解はない。
それらしい答えを探す日々が、続いている。
