晴れない心に、季節の風を。“七十二候”で季節に目を向ける『夜が明けるとき猫がそばにいれば』【マンガ紹介】
落ち込んでいるときや気持ちが晴れないとき、“風”に励まされてきた。
気の向くままに頬を撫でる風は、俯く私の顔も少し上向かせる。
季節によって温度やにおいも違うから、「あれ、今日の風――」と、自然と暗い思考から切り離してくれる。
特別落ち込むことがあったわけではないけれど、一昨日くらいから、風のにおいを嗅いではハッとさせられる。
「秋が来てる」、そう感じて。
強い日差しが照りつく夏だけど、近頃風の中に秋のにおいを感じるんです。本当にかすかだけど。
そう感じたとき、ふと紹介したい作品が浮かびました。
気分が晴れないときに、ちょっと“季節”に目を向けさせてくれるイラストコミック『夜が明けるとき猫がそばにいれば』。
季節の楽しみ方を教えてくれるとともに、気持ちが落ち込んでいるときにも寄り添ってくれる。
私にとっての“風”のような作品だったから。
『夜が明けるとき猫がそばにいれば』は、noteで実施されたコンテスト「コミックエッセイ大賞 with OZcomics」で大賞に選ばれた作品です。
受賞されたnoteは、こちら。▼
本作に登場するのは、ひとり暮らしの女性・ふゆこさんと、気ままに半人半猫の姿にさまがわりする不思議な兄妹猫・ヨルとアサ。
女性ひとりと猫ふたりの何気なくて愛おしい日々が、鮮やかなフルカラーで描かれます。
本作のタイトルには、最後に“七十二候”の言葉が添えられます。
「七十二候」は1年の季節の移ろいを72に分けた、季節の目安。
「閉塞成冬」
「桜始開」
「楓蔦黄」……などなど。
難しそうに見えますが、どれも季節の一瞬の情景を切り取った言葉です。
タイトルごとの七十二候に沿って描かれる物語は、読み手にささやかな季節の変化や、その楽しみ方を教えてくれます。
桜の花弁が舞う、夜のお花見。
じっくり作る、梅雨の梅シロップ。
秋の味覚を堪能する、食の秋。
寒い冬に染みる、温かいココア――。
読んでいるタイミングがいつであれ、それぞれの季節に思いを馳せてしまいます。
シンプルに好きな季節の到来を待ち焦がれたり、紐づけられた思い出を振り返ったり。
あなたにとって心地よい、何にも代えがたい“いとおしいもの”を、きっと思い出させてくれることでしょう。
ちょっとモヤモヤしたり、気持ちが落ち込んだりするとき、ぜひ『夜が明けるとき猫がそばにいれば』のページを開いてみてください。
きっと物語で描かれる季節の温度が、あなたを曇った気持ちから掬いだしてくれるはずです。
このnoteを書いた8月11日、「今の七十二候はなんだろう?」と久しぶりに調べてみたら、「涼風至」でした。
徐々に環境のあり方は変わってきているけれど、涼しい秋の風が吹く時期は、まだ大昔と変わっていないようです。
このnoteを投稿した8月12日からの七十二候は、「寒蝉鳴 」。
ヒグラシの鳴き声に耳を澄ませて、またとない“今”の季節を楽しんでください。
【作品概要】
■作品名:
『夜が明けるとき猫がそばにいれば』
■著者:
よしのくりこ
■出版社:
スターツ出版
■レーベル:
OZcomics
■ISBN:
978-4-8137-9546-9(A5判)
【試し読み】
本作はWebサイト「OZmall」でも試し読みできます。
2026年8月時点で、第1話~第20話まで掲載されています。
単行本ではふゆこさん、ヨル、アサのその後を描いた特別編が収録されていますので、試し読みのあともぜひ見てみてくださいね。
※当noteはAmazonアソシエイトにて、適格販売により収入を得ています。
