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インテンション

 まだ小学生だった自分には横浜大洋ホエールズの球団応援歌『行くぞ大洋』の「泥にまみれてすべり込む 燃える闘志は我らの誇り」の部分が強烈に刷り込まれ、野球とはそういうもんだと思い込み、放課後友達と近所の公園で遊んだ時にも、半ズボンで砂だらけのホームに滑りこんだ。

 血だらけになった左足を見ながら、これで高木豊や加藤博一みたいになれたと心の中でニンマリとしていた。

 オフシーズン、地元茨城笠間市のスポーツジムでアルバイトをしながらトレーニングし、体脂肪率10%までビルドアップした島田倭吉内野手の今年の目標は『泥臭く』
 信濃グランセローズから移籍し2年目の今年は是が非でも結果が求められ、強い意志で打率3割以上、出塁率のキープを目指す。

島田 倭吉内野手

 全体練習が終わると真っ先にトンボをかけ打席を慣らし、ライン引きで石灰を真っ直ぐに撒く。

 誤解され易いが、用事を頼まれる使いやすい人間は信頼されている訳でも無く、それによって評価が上がる訳でも無い。
 首脳陣からの信頼を得るためには、グラブでバットで結果を残し、社会一般のビジネス同様、期待をいかに裏切らないか。

 グランド内外での彼の気配りを見ていると、それが守備にもバッティングにもつながり、先を読むスポーツである野球の仕草に反映される事を切に願っている。


 千葉ロッテマリーンズ田村龍弘捕手と佐藤都志也捕手、中村祈弥投手、埼玉西武ライオンズ平沢大河内野手、東北楽天ゴールデンイーグルスの水上桂捕手の5選手が千葉・鴨川で行ったオフシーズンの合同自主トレに独立リーグの選手としてただ一人だけ参加した岩室真捕手。
 各選手からスローイング、フレーミング、ブロッキングなど技術的な知識を大いに学んだ彼は、昨年と全く違い、自身見据えているのは独立リーグレベルの野球では無く、NPBレベルのプレー。

岩室 真捕手

 「打率.305以上、盗塁3が数字的な目標です。」
と嘯くが、クイックが出来ない投手が多い独立リーグでいかに盗塁阻止率を上げるか、対する石川ミリオンスターズ阿部大樹選手に昨シーズン27盗塁された反省を強く感じている。

 彼の今年の目標は『恩返し』
 自主トレでお世話になったNPB現役選手達にはもちろん、ファン、友人、家族に頂いた期待や応援に報いるのが自分の仕事だと声高に語る。

 今年の富山GRNサンダーバーズの捕手陣には新入団の2選手が加わり、茨城アストロプラネッツから移籍して2年目の彼には、否が応でも正捕手として投手陣の引き出しを開ける、新入団選手へのアドバイスが求められる。
 自我が強い独立リーグの選手達の中で、彼は決して多くを語らず、どちらかと言うと投手の希望を優先にするプレーが多いが、もう岩室真の野球を要求しても良いのでは無いか。
 グランド上で唯一、他の選手達と逆方向を向いている彼は、今年の富山GRNサンダーバーズの課題が多く見えている筈。

 二人ともに来週からの練習試合で、2年目の違いを見せつけてくれるに違いない。
 泥臭く、恩返しのプレーを。

 ただ、血だらけになる理由は無いから。

(写真は全て筆者撮影)

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