20 訪問リハビリの日常【その医療費は誰のもの】
生活保護を受けている方は、医療費や介護費を自己負担無しで利用できます。
「訪問リハビリの日常」は、私の体験をもとにしたフィクションです。登場人物は架空の人物であり、実際の出来事とは異なります。
石黒さん(仮名)は、若い頃に家族との折り合いが悪く、家を出て以来、一人で生活していました。一生懸命仕事をしていましたが、職場の人間関係がうまくいかず、そこからお酒に頼るようになり、アルコール依存症となってしまいました。その結果、仕事も続けられなくなり、アルコールが原因で体を壊してしまいました。
働けなくなった石黒さんは、生活保護を申請。身寄りもないまま、この街で一人で暮らしています。一時期はアルコールが原因の病気のため入院していましたが、状態が良くなり退院。退院直後は、病状も不安定、なんとか自宅内は移動できましたが、外出は難しく通院困難だったため、在宅医療を導入され、医師や看護師、訪問リハビリがサポートを行っていました。
退院直後は家の中を何とか歩ける程度の状態でしたが、徐々に回復し、現在は屋外歩行を中心とした訪問リハビリを行っています。病状もかなり改善し、退院後数ヶ月で訪問診療は卒業、訪問看護の頻度も週2回から2週間に1回に減少。そろそろ訪問看護が不要になる時期に差し掛かっていました。
そんな中、石黒さんはこう話しました。
「もう訪問看護は必要ないと思います。いろいろありがとうございました。でも、僕は生活保護ですし、医療費もかからないので、訪問看護さんにもこれからも来てもらっても大丈夫ですよ。」
そこで、事業所と本人で、今後の訪問看護の利用をどうするかの話し合いが行われました。最終的には、身寄りがなく、持病もあるし、「何かあったときのために」という理由で、訪問看護を利用し続けることとなりました。
そして、それから一年経った今も、「何かあったときのために」訪問看護は継続されています。ちなみに、この一年、「何かあった」ことはありません。
確かに、生活保護の方の医療や介護の自己負担はありませんが、他の誰かがその分を負担していると言う認識を、本人も医療者側も持たなくてはいけないのではないかなと感じた出来事です。
この話は私の体験をもとに創作されたフィクションです。
【訪問看護の料金について】
事業所により料金は異なりますが、
私の訪問看護ステーションの医療保険の方の料金は
多くの人の場合
月の初月 20,850円
2日目以降 8,550円
かかります。そのため、月2回訪問すると、29,400円掛かります。
もし、これが3割負担の方の場合だったら、毎月8,820円支払うことになります。
きっと、医療費が無料となると多くの人は気兼ねなく利用をし、自己負担が三割となると「本当に必要なのか。」と考える人が増えるのではないかと思います。
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