04 訪問リハビリの日常【卒業】
個人情報に配慮し、実際にあった内容をもとに、創作しています。そのため、内容はフィクションで登場人物も架空の人物です。
「目標だった自宅の階段も自分で登れるようになったし、そろそろリハビリを卒業しようかな。」リハビリを始めて半年後に、その方は私にそう伝えました。
その方は肺炎で入院している間に体力が低下してしまいました。自宅は団地の4階だったのですが、退院するときに自宅の階段を昇るのにかなり苦労したようです。階段を昇る際に家族に手伝ってもらいながら頑張って昇ったのですが、途中2回尻餅をついてしまい、自宅に入ったときには、足はガクガク、息は切れ切れで、「もう家からは出ない。」と家族に公言し、受診などの必要な外出も行かず、家にこもってしまいました。そのため、家族が困り、ケアマネに相談し訪問リハビリが導入されることとなりました。「階段なんて絶対やらない。」と訪問リハビリが始まった頃はよく言っており、「外出ができるように階段をやりましょう。」と言っても階段は絶対に行ってくれませんでした。
私は「階段なんて絶対やらない。」と3回目のリハビリの時も断られたため、4回目のリハビリの時から、10cmの台を持っていきました。低い台を数回ずつ、本人のやってもいいよと言うところを確認しながら、20cmへ高さを上げてたり、回数を増やしていきました。そして、その方の体力と自信がついてきて、少しなら階段をやっても良いと言う気持ちに変わった頃から、階段を少しずつ始め、ついに自宅4階まで一人で上り下りができるようになったのです。「階段なんて絶対やらない。」と言っていたので、階段をやれるようになった時はとても嬉しかったです。今では受診もできるようになり、時折、奥様と外食も楽しまれているようです。
この方のように、ツラい体験をした方は、その体験を2度としたくないと思い、提案したリハビリの内容を断ることがあります。
リハビリを行うとき、一番大事なことは信頼関係だと思います。信頼関係を築くために、ご本人の気持ちに寄り添い、相手が本当に嫌だと思っていることは、私は必要だと感じていてもその時は無理に行いません。似たような動作で練習したり、難易度を低くしたり、本人が納得してしてくれることから始めるようにしています。しかし寄り添うばかりでは、良くなるものも良くなりません。リハビリを納得して行ってもらえるように、リハビリの内容や話し方に工夫をしています。そして、会話の中でも信頼関係を築けるよう工夫しています。今後もご本人さんの目標が達成できるように、やりたい生活がやれるように、訪問リハビリの仕事を行っていきたいと思います。

【一言メモ】
階段の高さにも決まりがあります。
一般的な戸建て住宅の場合
一般的な戸建て住宅の場合の基準寸法は以下の通りです。
・1段の高さ(蹴上):23cm以下
劇場や映画館、公会堂などの場合
住宅ではなく劇場や映画館といった強硬性がある建物の場合は以下の通りになります。
・1段の高さ(蹴上):18cm以下
リハビリの場面では、実際にメジャーで階段の高さをはかりその高さの練習する場合もありますが、大体20cmの段差が昇降できると、階段が昇降できると推測することができます。
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