猫だいきらいブラッシングと爪を切るそれは大事件
毛玉だらけだったモフモフくん。
家族がモフモフくんのブラッシングに成功した。すこしブラッシングしながら毛玉をほぐして。またすこしブラッシングしながら毛玉をほぐして。すこしづつすこしづつを繰り返して、モップ雑巾のようだった長い毛はふわふわになって、ぱっと見どおりのモフモフくんになった。
モフモフくんがブラッシングをしていると、ハチワレくんは〝なにをしているの?〟という顔つきで不思議そうに見上げている。「ハチワレくんもやる?」と声をかけると〝ボクはいいよ!〟とクルッと体勢を変えて庭のすみに逃げていく。
まぁ、家猫サバトラくんもブラッシングは大嫌い。パンチにキック、ブラシを持っている私の手に飛びついて噛みつく始末だから、ハチワレくんが逃げても不思議はない。
サバトラくんにいたっては、抱っこに撫でられるのは大好きだから、軍手タイプのブラシを試してみたけれど、それでも駄目で惨敗した。ブラッシングされるのはキライだが、毛繕いはビチャビチャになるほど繕いまくるから毛並みはピカピカ。ぼくはじぶんできれいにするタイプで、手がかからないともいえる。
ハチワレくんのお触りお断りはあいかわらずだったけれど、モフモフくんは触れるようになって、家族が後ろから抱き上げても、おとなしくバンザイスタイルを保つようになった。
外猫だけど外にいるだけで、彼らはちゃんと犬小屋ハウスに帰ってきたし、おはようと朝ごはんを待って、夜は夜で犬小屋ハウスから団らんに参加して、おやすみとともに犬小屋ハウスの中に入って眠る家族になった。
物理的に近くで様子を見られるようになるとモフモフくんの片足がおかしいことに気がついた。
よくはわからないけど足を庇うように歩いているように見えたので、猫ボラさんに連絡した。
幸い、家族はモフモフくんを捕まえることはできたので、家族がモフモフくんをキャリーケースに入れて、家の中で、猫ボラさんがモフモフくんをネットに入れて手を見てくれた。
親指の爪が内側に向かうように伸びていて、肉に刺さっていたらしい。
モフモフくんは、ミャー!ニャー!大騒ぎしたが、爪は無事に切れた。
ハチワレくんには、モフモフくんがミャー!ニャー!大騒ぎする叫び声だけが届く。猫語でなんと言っていたのかわからないが、助けてくれなのか、何するんたなのか離せなのか、きっとその類だろうと安易に想像がつく。
玄関は外猫たちがいつもいる窓側と反対側になるが、ハチワレくんはその間ずっと窓と玄関をオロオロウロウロ行ったりきたりしていた。いつもの窓からのぞいても玄関は見えない、モフモフくんの姿も見えない、見えないけど、この中からモフモフくんの叫び声が聞こえている。叫び声のする玄関に行っても、窓のように透明ではないのでモフモフくんの姿が見えない。ハチワレくんが心配そうな顔して、オロオロウロウロ一生懸命に家の中をのぞく姿がかわいい。
爪切りが終わって外に戻すと、モフモフくんは隣との境のブロック塀沿いに避難した。ハチワレくんが心配そうに寄り添っていた。
モフモフくんは一日のほとんどを我が家の庭で過ごしていたのだが、爪を切ったら出掛けるようになった。いままでは手が痛くて出掛けられなかったようだ。
モフモフくんの爪はまた伸びた頃に猫ボラさんが定期的に切ってくれることになった。
モフモフくんは爪切りの度に大騒動し、ハチワレくんもその度にオロオロウロウロした。いままで痛くてお出かけできなかったのが、猫ボラさんに爪を切ってもらうと痛くなくなるからフラフラお出かけしていくのだろうに、なぜそんなに大騒ぎすると思うのだが、それはわからないのかそこはやっぱり猫だった。
もっとも子供時代、病院キライだった自分を思い出すと変わらないとも思う。
猫も人間の子供も同じということか。
かくして毎回、爪切りはモフモフくんにもハチワレくんにも大事件だった。
そこへいくと家猫サバトラくんは爪切りはなんてことない。パチパチ切れるのにと思う。
〝あいつ家猫だろ?ボクたちは外猫なんだ!外猫の爪は大事なんだ!〟
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