見出し画像

ハチワレ猫のルーチンワーク

モフモフ猫は多くの時間を庭で過ごすようになったけれど、ハチワレ猫は朝ごはんを食べ終わると、そそくさとどこかへ出かけて行き、夕方ごはんに帰ってきたかと思うと、ごはんを食べるとまたどこかへ出かけて行った。

ハチワレ猫は食いしん坊だから、アパートごはんに参戦しに行っているのかと思っていたが、なにかのついでにボランティアさんに聞いてみたら最近は来てないと告げられた。
2匹のハウスを置いた側の窓のシャッターは、夜になっても寝るまでの間、完全には閉めない。
ハチワレ猫の帰りをモフモフ猫と家猫と待っている。
もっとも家猫に、「ハチワレくん帰ってこないね?どこ行ってるんだろうね」と言っても、関心はなさそうだが、モフモフ猫に、「ハチワレ帰ってこないね、どこ行ってるんだろうね?」と言うと、ハチワレ猫は思い立ったように出かけていく。
しばらくするとハチワレ猫が帰ってきて、その少し後からモフモフ猫が帰ってきた。
ごはんを残しておくことといい、モフモフ猫にはびっくりする。

ごはんを残すことは、外猫たちのごはん事情を一読してもらえたらありがたい。


昭和の時代に『男はつらいよ、フーテンの寅次郎』という映画シリーズがあった。主人公の寅次郎は気の向くまま出かけて突然帰ってくるのだが、ハチワレ猫も、ごはん以外はいつ帰ってくるのかわからず、フーテンのハチワレくんだった。
だから、ハチワレ猫には、「ここが、ハチワレくんのおウチだからね、ハチワレくんのおウチ、ここでしょ!ここ、ハチワレくんとモフモフくんのおウチだよ。」と言ってきかせていた。

そんなフーテンのハチワレくんだったのだが、ごみ出しはルーチンワークだった。
ごみ出し?ルーチンワーク?と思うことだろう。
ごみの日のゴミ置き場は燃えるゴミと燃えないゴミの2カ所あって、燃えるゴミはアパートごはんの近くで、燃えないゴミは、アパートごはんとは反対方向で、2ブロックほど先にある。
ある燃えるごみの日にゴミを持って門を出るとハチワレ猫も着いてきて、ゴミを出しているのを待って、一緒に帰ってきた。なぜ急に着いて来たのかわからないが、ミャッミャッ言いながら着いてくるようになった。
燃えないごみの日も、ちゃんと反対方向に着いてきて、ちゃんと一緒に帰ってきた。
一緒にゴミを出しているつもりなのか、朝、ハウスにいなくても、ゴミを出しに行く頃になると、どこからともなく帰ってきて、一緒にゴミ出しに行った。
人は苦手なのだが、それでも頑張って着いてくるので、すれ違う人も驚いた。
リードもなにも着けていない、そもそも猫だから、リードなど着けているわけはないのだが、初めての人からは必ず「猫ちゃんですよね?」と声をかけられた。 
「はい、地域猫のコなんです。」と私は答えた。大抵は、犬の散歩中の人で、犬が苦手なハチワレ猫は、すこし離れたところでやり取りを聞いていた。
ときどき帰ってこない日も、ゴミを出して戻ると待っていて、「ハチワレくん、遅いから行ってきちゃったよ。」と言うと、行っちゃったの?とさびしそうだった。
ゴミ出しは彼のルーチンワークなのだ。

画像はオリジナルです
©たかはしみき

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集