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世代間ギャップを埋めるコミュニケーション術

さて、今回は「世代間ギャップを埋めるコミュニケーション術」というテーマで記事を書いていきます。

この記事を読んでいる皆さんの中にも、

「若い世代との話が合わない…」
「これまでの教育の仕方で若手世代と接していたら会議中に泣かれてしまった…」
「上司に自分の考えを上手く伝えられない」
「ただ会社の方針に従って仕事をしていく意味がわからない」
「若い世代と上の世代との間で板挟みになることが多い」

という世代間のコミュニケーションに悩んでいる人も多いのではないでしょうか?

私も研修講師としてコミュニケーションについてお話しする機会が多いのですが、最近「世代間ギャップを埋めるコミュニケーション」というテーマでお話しさせていただくことが多いです。

ヤンマーエンジニアリング株式会社
関西経営管理協会
万代ユニオン
NHNJAPAN株式会社

直近でもこのような企業・団体から依頼を受け講演登壇させていただきました。

現在、「ベテラン世代(バブル世代以上)」、「中堅世代(就職氷河期世代)」、「若手世代(さとり世代・ゆとり世代・Z世代」と各世代ごとのコミュニケーションが課題と捉える企業様も増えていると実感します。

今回の記事では、

ギャップのメカニズム
世代間ギャップはなぜ生まれてしまうのか?時代背景も含めてその真因を探ることでこれからの各世代との付き合い方を考える

指導法・話し方
コミュニケーションは才能ではなく技術。これまで口下手であったり、苦手意識を持っていてもコツを掴めばコミュニケーション能力を向上させることができる。具体的なノウハウについて記載する

これからのチーム作り
自分のコミュニケーション・行動で環境は変えていくことができる。チームや組織として風土を整えるために社員一人一人がそのようなことを考えるべきかについて記載する

という項目で世代間ギャップを埋めるコミュニケーションについて記載していきます。

0. 前提として…

かねてからある世代間ギャップで悩む人が増えてきたと感じます。
このように悩む人が増えた背景としては、世代間ギャップはコミュニケーションの課題から多様性の課題へ変化してきたといえます。


すなわち「正しさ」と「正しさ」の対立が起きています。このコミュニケーションギャップの根本的な問題は育ってきた時代背景・環境です。

例えば会社を休む連絡を部下がLINEでしてきた場合は上司としては「休みの連絡は電話で入れるべきだろう…」と感じることがあるかと思いますが、部下としては「上司も何か業務を行っているだろうし、電話で時間を取るのはどうなんだろう?」「履歴や時間も残るしLINEの方がいいよね」という判断でLINEで連絡するという選択肢を取っているかもしれません。

両者の視点に立つとどちらかが正しいという二元論ではなく、どちらも考えた上で判断を行なっているということがわかります。

世代間の「vs.構造」から離れ、世代間ギャップを」縮めるためには自分たちが変わるという自主的な成長が不可欠です。

また各世代の特徴をまとめると…

当然全員が全員こういった性質だというわけではありませんが…なんとなく各世代のイメージができるのではないでしょうか?

1. ギャップのメカニズム

1-1 世代間ギャップの背景にある「4つの社会環境の変化」

世代間ギャップには4つの社会環境の変化があると考えられます。

① 「情報技術」の変化…デジタルコミュニケーションの急速な進化
② 「人口構造」の変化…少子化による人口ピラミッドの変化
③ 「キャリア」の変化…ロールモデルの喪失
④ 「文化・価値観」の変化…多様性が時代のキーワードに

このようにベテラン世代・中堅世代・若手世代と育ってきた環境がまるで変わってきているため、コミュニケーションのズレが起きてしまうのは当然といえます。

1-2 世代間ギャップの正体

世代間ギャップとして正体として大きいのは、まずは情報伝達の手段が変わったという点が大きいです。以前は電話やFAXが主流で情報の伝達は時間がかかるもので、また情報自体に価値があり、ある種情報格差が生まれていました。
しかし今ではSNSが当たり前、生成AIも発達しているため情報格差は比較的少なく、情報伝播も速度も非常に早くなっています。

またマネジメント構造も変化しています。
以前はピラミッド型のトップダウンのマネジメント構造が主流でしたが今はフラットな情報共有型へと変化しています。これによって過去のマネジメント手法が効かない場面も増え、そのことが世代間ギャップを生む要因となっています。

さらに精神論が通用しなくなったことも大きいでしょう。昔は「目標を達成するまで帰らない!」「熱意があれば契約は取れる!」「できないなら頑張ってできるようになるまでやる!」というある種精神論的な部分で仕事が回ることもありましたが、特に現代の若手世代はデータ・効率重視ですし、プライベートと仕事も分けて考えがちです。またロールモデルが喪失し、転職も容易になったため、「そこまで無理してこの会社に残らなくても…」と考える人も多く、精神論一辺倒で接してしまうと逆に冷めてしまい、知らぬ間に退職、、、なんてことも増えています。

特に以前と比べ現代では心が動くポイントが変化しています。昔は昇進・昇格など報酬がモチベーションに影響していましたが、若手世代にとっては「お金」や「もの」ではなく共感がモチベーションに大きく影響します。

1-3 チームのアップデートは「私のアップデート」から始まる

まずはこれまでのコミュニケーションスタイル・マネジメントスタイルを疑ってみましょう。本質と必要性を見極めてこれまでの当たり前を疑うことから変化が起こります。

会社組織を見てみると形骸化した様式や慣行も中にはあると思います。その本質と必要性を見極めることで変化が起こります。
また変わるのは他の人のためではなく、自分のためであるといえます。変化への対応力があるのは、マネジメントスタイルだけでなく、社会の変化にも対応できます。
進化論有名なチャールズ・ダーウィンは

「生き残るのは強い種でも賢い種でもなく、変化に適応できる種だ」

というこばも残しています。
すなわち、「安定=安心」ではなく「変化=安心」ともいえます。

1-4 ボトムアップ時代の基本スタンス

今はトップダウン(上から下へ)の時代ではなく、ボトムアップ(下から上へ)の時代の時代といえます。
ボトムアップ時代には「やり方」より「あり方」が問われます。もし自身のマネジメントや話し方がうまくいかない時はその逆をやってみると効果が出ることがあります。
特に大切なのは「他責」から「自責」に考えることです。いくら環境や他人を批判して自分の正しさを主張したところで周囲を変えることはできません。それよりも「主体的・自律的マインド」へ切り替えることで変化に対応し、これからの時代に求められる人材となることができます。

またボトムアップ時代に見られるフラットな組織に求められるのはリーダーのあり方です。このあり方を考えるときは自分の「嫌だった」から「こうありたい」を見つけることがきっかかとなる場合が多いです。

自分が若手世代だったときに嫌だったことを10個思い出し紙に書き出してみてください。
またあの時こうしてくれていたらよかったなという理想同時に考えましょう。

この取り組みをしてみると理想の人物のあり方を考えることができます。
全ての人は時代の被害者といえます。「なんであいつは」から「何があいつに」に視点を変えることで考えを深めることができます。時代に翻弄されてきた全ての人を労う姿勢が大切です。

2. 指導法・話し方

2-1 上司と部下が分かり合えない本当の理由

事実と解釈がコミュニケーションに大きく影響を与えます。


例えば、「信号が赤い」という事実があったとします。普通に生活していれば「信号が赤いときは止まる」という解釈が生まれます。しかし、大阪だと「赤は気をつけて渡れ」という解釈をする人が結構います。大阪出張していると少しびっくりします。(もちろんみんながみんなという訳ではありませんが)

このことから言えるのは、事実は一つ解釈は複数ということです。
信号機の話はわかりやすいですが、ビジネスなりプライベートなり生活をしていると同じ言葉でも全く違う意味に捉えられてしまうことが結構あります。

2-2 コミュニケーションの3つの罠を意識する

コミュニケーションの3つの罠とは…

削除
人は全ての体験を言葉にできない – 情報は省略される
歪曲
必ずしも事実とは言い難い、歪んだ解釈
一般化
「全てそうに違いない」という思い込み

の3つです。

まず削除に関しては例えば「昨日の夜何を食べましたか?」と聞かれた時に「ラーメン」と答えたとします。もっと深ぼってみると「近くの中華料理屋で味噌ラーメンを食べてライスも頼んでいた」という情報が出たりします。人は全ての体験を言葉にすることができません。対策としては問いかけをして事実の解像度を上げていくことが重要です。

歪曲は「○○によって、○○になる」「○○は○○だ」というような言葉に表現されがちです。例えば「ベテラン世代は頭が固い」「若手世代は自発的でない」などがありますね。問いかけで事実に近づけてあげるのが大切です。

そして一般化は「全て」「絶対に」「いつも」「誰でも」「みんな」などの言葉を使って、まるで全てがそうであるかのように認識してしまうのが特徴です。そういった考えが出てしまう一番の要因は過去のその人の体験です。一般化された事実を明らかにすることで対策ができます。

2-4 コミュニケーションの3つの罠を抜け出すために

質問・傾聴によって不十分な情報を取り出すことが重要といえます。情報を取り戻すことで、「事実」の解像度をあげていきます。少し面倒に感じますが、この一工夫でコミュニケーションのギャップをグッと抑えることができます。

他人の歪曲・一般化を正すだけでなく、コミュニケーションを取る自分自身の価値観が歪曲・一般化していないかを常に内省し、気づけるようになることがコミュニケーションギャップを埋める上で重要といえますね。

2-6 相手と信頼関係を作るためにもまずは話を「する」側から「聞く」側に回る

話がうまい人と言うとずっと話している人をイメージするもかもしれませんが、コミュニケーションは聞く姿勢が9割です。人間気をつけないと、ついつい自分が話したくなってしまいますが、その気持ちをグッと抑えて相手の話を真摯に聞くことで信頼関係が構築されます。

自分では十分に向き合っているつもりでも向き合っているかどうかを判断するのは相手です。よく「なんでも相談してほしい」と言う言葉を立場が上の人が使うことがありますがその前に、「相談したくなる」存在に慣れているかどうか内省しましょう。

3. これからのチーム作り

3-1時代によって「動機付け」は変化する

仕事への動機付けは時代によって変化しています。動機付けには外発的動機内発的動機の2つがあります。

◎外発的動機…外部から人為的に働きかける動機。
Ex.昇給、出世、評価、賞罰、強制、叱責、命令。ピラミッド型組織が機能していた高度経済成長期は有効だった動機付け

◎内発的動機…その人の内面から湧き起こった動機付け。
Ex.「やりがいを感じる」「自分のやりたい仕事」「自分の能力や個性が活かせる」共感・働く意味・目的

現代は働く動機が外発的動機から内発的動機へ変化しています。仕事へのモチベーションも昔は「給料を増やしたい」「昇進したい」と言うものでしたが、現代は「やりがい」や「自分の価値観に合っているか」が重視される傾向にあります。

若手世代が給与が高い職場を辞めていってしまった…と言う場合は内発的動機が合わなかったケースが多いです。

3-2 近年の組織づくりにおけるトレンド

外発的動機から内発的動機へ移行しつつある中で、近年の組織づくりのトレンドも「指揮命令に従わせる」から「内発的な動機付け」や「いかにクリエイティビティを発揮させるか」に変化しています。

その中で重要となるのが…

① 心理的な安全…厳しいビジネス環境にあるから失敗を受け入れられる安心・安全の担保が重要でチームで共有されていること

② ホウレンソウよりザッソウ…ホウレンソウは情報伝達のルートがピタミッド型の縦の組織図で有効だった。フラットな横の関係をベースとした雑談・相談の方がメンバーからの情報をキャッチアップしやすい

③ 画一性(トップダウン)より多様性…かつての少品種大量生産の時代は画一的・同質的であることが効率が良かった。現在の多品種少量生産ではアイデアや柔軟性つまり多様性が重要。弱みを含めてざっくばらんに本音を言えて出る杭が歓迎される

の3点です。
新たな挑戦に失敗はつきものであり、それがチームとして許され挑戦できる環境整備をしていくことが大切といえます。

3-3 チームが安心して話せる場を作る

チームが安心して話せる場を作るために有効なのが…

1on1ミーティング
週に一回30分など1対1で行います。
上司としては…部下の状況を知り成長ができる
部下としては…上司からのフィードバックがもらえる

ザツダン
プライベートもざっくばらんに話す時間を作ります。
昔でいうたばこコミュニケーションがこれに近いかもしれません

単純接触効果と言って顔を合わせる回数が増えるほど好意が生まれるという心理効果も働くため、月に1度や週に一度時間をとって話すことが重要です。
大企業でも小さなチームでも、一人一人と向きあることが大切であるという本質は変わりません。

また人間誰しもが持つ承認欲求を理解することも大切です。精神的な報酬を設定し、受け入れることが重要です。
練習として、5分間相手の話に対して、ポジティブな反応をしながら話を深ぼる練習をするといいでしょう。「すごいね」「なるほど」「いいね」「素晴らしいね」などポジティブな言葉で返すと相手もウキウキと話をしてくれます。これが精神的な報酬の一つです。

3-4 メンバーと良好な関係を作るコミュニケーションスキルの全体像

メンバーと良好な関係を築くには…
① 傾聴する→②質問する→③意味づけを変える→④伝える
の4つのステップを踏むことが大切です。


③ ②の前半ではペースを合わせることが重要です。このタイミングでは心の距離を縮めて信頼関係を築くことを目的としています。

② ④の後半ではリードすることが重要。相手の意識を望ましい方向へ導きましょう。

この流れで「内省」と「行動」を促していきます。

3-5 相手の話を深ぼる

質問によって、話の全体像を把握、いい質問が相手との信頼関係の向上をもたらします。
また「数値化」で質問の流れを作ることも大切です。
例えば「最近仕事がうまくいってないんです」と言われてもどんなレベルでうまくいっていないのか把握できず適切なアドバイスはできません。また自分の解釈でアドバイスしたところで解決に繋がることは少ないでしょう。
そんなときは「理想的な状態を10だとすると今の仕事はどのくらいなの?」と数値化をすると適切なアドバイスがしやすくなります。
2だとしたらかなりやばい状況ですし、9なら本人が心配性で完璧を求めているだけなのかもしれません。

いいアドバイスをするためにも丁寧に質問することを心がけましょう。
また相手の悩みは自分ごと化せず、取材するスタンスで聞くことも大切です。自分ごととしてしまうとついつい自分が話したくなったり感情的な部分での話が多くなってしまいます。そうではなく記者が取材するように相手の悩みを深ぼっていくことが大切です。

3-6 チームの行動を後押しする

最後にチームの行動を後押しするコミュニケーション手法について一例を上げていきます。

リフレーミング…事実に新たな解釈をつけること
例えばメンバーが重要なプレゼンに失敗してしまった時、「その悔しい気持ちがあれば次回のプレゼンはうまくいくよ」「事前準備の大切さがわかったね」など失敗という事実に対して新たな解釈をつけることでコミュニケーションを良好に保つことができます。

②過去のマイナスよりも未来のプラスに目を向ける
脳は否定語が理解できません。例えば「ピンクの像を思い浮かべないで」と言い終わった時にはピンクの像をイメージしてしまっています。なので「遅刻するな」ではなく「時間に余裕を持とう」だったり、「なんで失敗したんだ」ではなく「次は成功させよう」など未来のプラスに目を向けた発言を心がけましょう。

足し算の指導法…マイナス点を埋めるのではなく、現状にさらに加える「さらによくするとしたら?」とアドバイスする
問題の指摘ではなく、行動の改善を促しましょう

④問題を解決したいときは「なぜ?」ではなく「どうすれば?
なぜという問いかけでは解決策を模索できず原因の究明となり、人的な非難に議論が収束しがちです。そうではなく、どうすればという視点を持つことで手法論の建設的な話をすることができます。

⑤対立した時には「共通の大切なこと」を考える…5W1Hの問いを使う

例えば、仕事の納期が遅れている場合は
「いつから遅れているのか」(when)
「どのタスクで遅れているのか」(Where)
「誰のタスクで遅れているのか」(Who)
「何のタスクで遅れているのか」(What)
「なぜ遅れているのか」(why)
「どのように遅れているのか」(How)

という視点で過不足なく確認を行うことで冷静に問題に取り組むことができます。

⑥サンドイッチフィードバック…問題の指摘から行動の改善に繋げるために未来に意識をむける

1, 感謝・ねぎらい
→普段の相手に対する感謝

2, 依頼・改善提案
→「こうすると良いよね」という依頼・改善提案

3, 期待
→「これからも頼りにしてるね」と言った今後に対する期待

本当に伝えたいのは言わずもがな依頼・改善提案なのですが、そこだけ言ってしまうと相手としては「怒られた」「自分が悪いんだ」とネガティブな感情が残ってしまいます。感謝と期待を前後に入れることで自己肯定感を上げつつ、問題点に前向きに取り組めるようになります。

4,最後に

今回は世代間ギャップを埋めるコミュニケーション術というテーマで記事を書きました。

約7,500字、自分の知識や経験を余すことなく伝えるために結構頑張って書いたので、♡や記事シェア、フォローなどしてもらえるととても嬉しいです!!!

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最後までお読み頂きありがとうございました!



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