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朝ドラ主題歌に起用される歌手の特徴

YOASOBIが次期朝ドラ『ブラッサム』の主題歌を担当することが発表され、大きな話題を呼んでいますね! 今作の主人公は小説家の宇野千代さんがモデルということで、主題歌制作にあたっても「小説家の綿矢りささんが原作小説を書き下ろす」という異例の制作フローが明かされました。

これを機に、毎朝私たちの耳に届く「朝ドラ主題歌」と、その歌手の起用について、知られざる特徴やパターンをまとめてみました。


🎶 朝ドラ主題歌の特徴とは?

朝ドラのオープニングで楽曲が流れるのは約70〜90秒(曜日や作品によって差がアリ)。しかし、近年ではその制作になんと約1年もかけることがあるそうです。 現在放送中の『風、薫る』の主題歌、Mrs. GREEN APPLEの『風と町』も、大森元貴さんが前々作『あんぱん』に出演されていた頃からすでに制作が進められていたといいます。

朝ドラ主題歌には、一般的なドラマの楽曲とは異なる独自の「レギュレーション(お約束)」が存在します。

・百数十回聞いても飽きない心地よさ
半年間にわたって毎日のように聞くことになるため、オルゴールのような優しい音色が取り入れられるなど、耳馴染みの良さが追求されます。

・数十秒の間で「起承転結」を作る
短い尺の中でドラマチックな展開を持たせます(実際のフルコーラスからは、テレビ用に短縮・専用エディットされることがほとんどです)。

・イントロの強力な「フック」
これは、朝の支度や家事などをしている主婦層をはじめとする視聴者が手を止め、「朝ドラが始まった!」と認識できるようにするための工夫だとまことしやかに言われています。

・ゆったりとしたテンポと明瞭さ
メイン視聴者層である高齢者にも聞き取りやすい、スローテンポや言葉の明瞭さが好まれます。

・朝にぴったりな前向きなメッセージ
もちろん内容はドラマの主人公への「当て書き」。朝ドラ自体が困難に立ち向かうストーリーが多いため、これから登校や出社をする人を励まし、肯定してくれる明るいメッセージが多くなります。

こうした条件があるため、様々なアーティストを起用しても、最終的にはどこか「朝ドラらしい楽曲」に収束していく傾向があります。伝統的なファンも、そうした朝ドラらしさを求める傾向が強いです。

直近では『あんぱん』の『賜物』が、朝ドラ主題歌としては挑戦的な言葉選びやリズム感、映像であったため放送当初は賛否両論を呼びました。

🎤 どんな歌手が選ばれる?

では、どのようなアーティストが選ばれるのでしょうか。大きく分けて3つのパターンがあります。

1. 「国民的歌手」の順番待ち

いまだに国内ドラマの中でトップクラスの視聴率を誇る朝ドラ。その冒頭を飾る主題歌ともなれば、担う役割は重大です。

そのため、単に歌唱力が高いというだけでなく、老若男女問わず広く親しまれる「国民的歌手」が選ばれる傾向にあります。

「国民的歌手」の定義はなかなか難しいところですが、一つの指標となるのが『NHK紅白歌合戦』です。特に、番組後半(第二部)に常連として出場するようなアーティストは、まさにその筆頭と言えるでしょう。

実際、昨年の紅白第二部の出場者を見てみると、Mrs. GREEN APPLE、MISIA、福山雅治、米津玄師、あいみょん、back number、RADWIMPS、AKB48、星野源(特別企画)と、実に9組ものアーティストが朝ドラ主題歌を経験しています。

一方で、あえて毎年紅白に出場していなくとも、揺るぎない知名度と根強い人気を誇る大物アーティスト(B'z、スピッツ、Mr.Childrenなど)が起用されるケースも多く、朝ドラ主題歌枠には、ある種「大物たちの順番待ち」のような状況すら生まれています。

2. 若年層を開拓する「ストリーミング覇者」

近年目立つのがこのパターンです。Mrs. GREEN APPLE、back number、米津玄師、そして今回発表されたYOASOBIなど、ストリーミングサービスで圧倒的な成績を収めるアーティストを起用し、朝ドラ離れが進む若年層へアプローチを図る意図が感じられます。

現に、Spotifyにおける歴代朝ドラ主題歌の再生回数ランキング(※執筆時点)は以下の通りです。

1位. 『風と町』(『風、薫る』)/ Mrs. GREEN APPLE:1億4,070万回以上
2位. 『アイラブユー』(『舞いあがれ!』)/ back number:1億2,062万回以上
3位. 『さよーならまたいつか!』(『虎に翼』)/ 米津玄師:1億1,499万回以上

ストリーミングは「累計の再生回数」がベースとなるため、本来であれば配信期間の長い過去の楽曲が有利になりやすいシステムです。それにもかかわらず、現在放送中である『風、薫る』の主題歌『風と町』が、過去50曲以上の名曲たちをごぼう抜きにしてトップを独走しています。Mrs. GREEN APPLEの勢いと人気の末恐ろしさを感じずにはいられません。

同じくストリーミング市場で強さを誇るYOASOBIが、この記録にどこまで食い込んでいくのか。音楽チャートの視点からも今後の動向に注目です。

3. 作品との「親和性」重視

前作『ばけばけ』でのハンバート ハンバートの起用は、国民的歌手やストリーミングでの流行といった近年の傾向とは異なるものの、作品との親和性が際立つ例でした。男女デュエットの歌声が、トキとヘブンの写真を用いたスライドショー風の映像によく馴染んでいました。

また、ドラマの舞台地とのゆかりも起用の重要な要素です。沖縄が舞台の『ちゅらさん』『純と愛』『ちむどんどん』では、Kiroro、HY、三浦大知と、沖縄が生んだスターたちが主題歌を担っています。

さらに、俳優陣が直接音楽に関わるケースもあります。『ブギウギ』では主演の趣里さんが、中納良恵さん、さかいゆうさんと共に『ハッピー☆ブギ』を歌唱。『まれ』の主題歌『希空〜まれぞら〜』では、主演の土屋太鳳さんが自ら作詞を手がけました。

ちなみに、歌唱のないインストゥルメンタルの主題歌は、2013年の『あまちゃん』(あまちゃんスペシャルビッグバンド)を最後に途絶えています。2028年前期には再び宮藤官九郎さん脚本の『ほんのモキチ』が控えており、主題歌の有無やアプローチにも注目が集まります。

☝️ 朝ドラ主題歌は一生に一度?

「朝ドラヒロインは一生に一度」なんてよく言われますが、実は主題歌を歌うアーティストにはその縛りはありません。

古くは椿洋子さん(『うず潮』『たまゆら』)や倍賞千恵子さん(『おはなはん』『あしたこそ』)が複数回経験しています。

近年では、DREAMS COME TRUEが『ひらり』と『まんぷく』で2回主題歌を務めるという偉業を成し遂げました。

今後、この記録に続くアーティストがさらに現れるのか予想してみるのも、朝ドラの楽しみ方の一つかもしれません。

これから始まるYOASOBIの『ブラッサム』主題歌は、果たしてどんな「朝ドラらしさ」と「YOASOBIらしさ」の化学反応を見せてくれるのでしょうか。毎朝の彩りとなる新曲の解禁を、楽しみに待ちたいと思います!

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