「役割が人を作る」とは言うけれど
そもそも、私はリーダーになりたかったわけではない。できれば、誰か他の適任者がいてくれればと思っていた。しかし、巡り合わせとは妙なもので、気づけば「まあ、仕方ないか」と、半ば渋々ながらその役目を担うことになった。
それでも、である。やるからには、それなりに考えねばならぬ。リーダーとは何か。どう振る舞い、何を決断すべきなのか。最初は手探りであったが、不思議なもので、「役割」というものは人を変えるらしい。「リーダーならばこう考え、こう動くだろう」と、いつの間にか自分の中でひとつの筋道が生まれていた。
全国の同じ立場のリーダーたちと交流するうちに、その思いはさらに深まった。志を同じくする者たちと意見を交わし、時には苦労を分かち合うことで、「私はこの立場を引き受けてよかったのかもしれない」と思う瞬間さえあった。もとより積極的に手を挙げたわけではなかったが、結果として得たものは決して小さくはない。
そして今日、その役割を後任に譲った。ほっとした気持ちがあるのは否定しない。だが同時に、一抹の迷いもある。役職を離れた私は、これからも同じ熱量でこの活動に関わるのか。それとも、次第に距離を置いていくのか。
役割が人を作る、とはよく言う。だが、役割を離れたとき、人はどうなるのか。答えはまだ出ていない。
