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お詫びメールは、最初の30分で決まる

1. たぶん、いまこういう状態だと思います

金曜の16時40分。送信ボタンを押した3秒後に、宛先が違うことに気づく。

心臓が冷たくなって、まず何をしたか。私はマウスから手を離して、画面をもう一度見ました。見ても変わらないのに、見ました。あの数秒はたぶん、何の役にも立っていません。

それから検索窓に「お詫びメール 例文 ビジネス」と打ち込む。出てくるのは、どれも似た文面です。「この度は多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」。丁寧なのはわかる。でも、そこから先が書けない。

書けない理由は、はっきりしています。例文は「謝る言葉」を教えてくれるけれど、「いま何がわかっていて、何がわかっていないのか」を整理してくれないからです。相手が知りたいのは謝意の強さではなく、自分がこれから何をすればいいのか。そこを書かないまま送ると、5分後に「で、どうなるんですか」という返信が来ます。私は来ました。二回。

しかも時間がない。上司は会議で捕まらない。定時が近い。相手の会社も定時が近い。この状況で、文面を練り上げる余裕はありません。

この記事は、その30分をどう使うかだけを書いたものです。私が誤送信で一度、納品数量の間違いで一度、社内の締切遅延で数え切れないほどやって、そのたびに書き直した順番をそのまま置いています。


2. この記事が向いていない人

先に外しておきます。買ってから「違った」となるのがいちばん損なので。

  • すでに相手が激怒していて、訴訟や契約解除の話が出ている方。ここから先は法務と上長の領域です。メールの文面を工夫する段階を越えています。

  • 組織を代表して公式に謝罪文を出す立場の方。プレスリリースや公式サイトの謝罪文は、承認フローも文体も別物です。この記事は「担当者個人が自分の名前で出す一次連絡」に絞っています。

  • 謝罪の心構えや、コミュニケーション論を求めている方。心構えの話はしません。手順と文面だけです。

  • 自分のミスではないのに謝る役を押しつけられて、その理不尽をどうにかしたい方。文面のつくり方は役に立つと思いますが、根っこの解決にはなりません。

  • すでに社内にお詫び文の規定テンプレートがある方。そちらが優先です。この記事は規定がない場合の埋め方です。

逆に、こういう方には効くはずです。ミスが起きてから1時間以内。相手は取引先か社内の別部署。自分の裁量で文面を決められる。そういう場面です。


3. 全体の流れを3ステップで

細かい手順に入る前に、地図だけ渡しておきます。やることは3つしかありません。

ステップ1:止める。 謝る前に、被害の拡大を止めます。誤送信なら送信取消と削除依頼、出荷ミスなら次の便を止める。ここを飛ばして文面を書き始めると、書いている間に被害が増えます。所要3〜5分。

ステップ2:出す。 一次連絡(第一報のこと)を出します。ここでのコツはひとつだけ。確定していることと、まだ確定していないことを、はっきり分けて書く。全部わかってから送ろうとすると、送るのが2時間後になります。所要15〜20分。

ステップ3:閉じる。 確定情報が揃った段階で二次連絡を出し、社内に記録を残して終わらせます。ここを省くと、同じ話が来週また蒸し返されます。所要は当日中〜翌営業日。

多くの解説記事は、ステップ2の「文面」だけを扱います。実際にしんどいのは1と3です。

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