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yamamoto15
【毎週ショートショートnote】トナカイ貝
「きれいなの拾った!」
息子の陽向が差し出す見覚えのある貝殻に、私は青ざめる。慌てて地面に捨てさせ、不服そうな陽向を促してその場を後にした。
その夜、陽向を寝かしつけた私は嘆息する。かつて私が持っていたあの貝殻。陽向が家に来たときに消えたはずだった。
寝返りを打つ陽向の手からこぼれ出たソレに、私は息を呑む。隙をついて拾い直したのだろうか。
「やっほー」
ピカピカと光る貝殻から陽気な声がした。
「陽向をどうするつもり?」
私が睨みつけると、貝殻は明るく言った。
「やだなぁ、仕事をするだけだよ」
僕はトナカイ貝だもの、と貝殻は誇らしげに言った。
「持ち主のもとへサンタを導くのが僕の役目さ。君がかつて持ち主だったときの願いを聞いて、サンタがその子を連れてきた。今回はその子の願いを叶えなきゃ」
なぜだか、陽向を失ってしまうような嫌な予感がした。
「彼の願い事はね⋯⋯」
貝殻の明るい声と共に、ナニカがにゅっと貝殻から姿を現した。
(410字)
ちょっとホラー気味になってしまいました。
こちらのお題で書かせていただきました。
ありがとうございます。
画像は、みんなのフォトギャラリーよりお借りしました。AIさん曰く、「チョウセンフデガイ」という貝らしい。合っているのかしら?
赤と白の模様が綺麗。
