長編SF小説『ロボットが見る夢 ~魂のインストール~』第十九章:百年間の終末旅行|次元ラボ
雨宮晶がパンデミックにより、その生涯を終えてから、世界はゆっくりと静かな終末へと向かっていった。人類が滅亡し、再び各地に人類が遺した記憶が、星々のように点在し始める。Echo77は来るべき日までKodamaと共に長い、長い旅を続けていた。
それは、アクションよりも、静かで哲学的な終末旅行だった。永い孤独の旅路の果て、彼は二度目となる国立国会図書館桜京館へと向かった。懐かしい、という感情が彼の胸を締め付ける。忘れ去られた神殿の跡か、それとも失われた文明の残骸か。その最奥に、懐かしい巨大なガラス張りの建造物があった。
内部に足を踏み入れた瞬間、世界の様相は一変していた。静寂は変わらない。だが、彼のセンサーが捉える情報の密度が、以前とは比較にならないほどに増していた。それは、かつて訪れた時には点在する星屑にしか見えなかった光が、今や無数に増え、館内を一つの銀河のように埋め尽くしている。どこまでも続くチタン製の書架は、星雲を切り取った黒曜石の回廊となり、そこに収められた一冊一冊の本が、生まれたばかりの恒星のように穏やかな光を脈打たせていた。
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ポストアポカリプスを舞台にした、思索的なタイムリープSF。一体のロボットが自らの魂と世界の真実を解き明かす、百年の旅路。AI、親子、頭脳戦といったテーマを織り交ぜた、9万文字を超える読み応えのある本格SF長編です。
人類滅亡後、一体のロボットが「心」に目覚める――。 これは、感情を知ってしまったアーカイブロボット「Echo77」が、自らの魂の正体と人類…
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