長編SF小説『ロボットが見る夢 ~魂のインストール~』第五章:千羽鶴の救済|次元ラボ
雨宮晶の記憶がもたらした感情の嵐は、未だEcho77の内部で静まらずにいた。肯定と否定のデータが絶えず衝突し、彼の思考回路は焼き付く寸前だった。しかし、生まれたばかりの「心」は、その混乱の中で新しい欲求に目覚めていた。
まだ足りない。何かが、決定的に欠けている。この胸に空いた穴を埋める「何か」を、確かめなければ。
そのシステムエラーとも呼ぶべき渇望に導かれ、彼は再び特別収蔵庫の七階へと向かった。フロアに降り立った彼の光学センサーが、答えを求めるように、静かに光の海を見渡す。
雨宮晶のブースから少し離れた区画で、ひときわ強く、しかしどこか穏やかな光を放つ一つの展示物へと引き寄せられた。ガラスケースの中に、色鮮やかな千羽鶴が静かに納められていた。
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ポストアポカリプスを舞台にした、思索的なタイムリープSF。一体のロボットが自らの魂と世界の真実を解き明かす、百年の旅路。AI、親子、頭脳戦といったテーマを織り交ぜた、9万文字を超える読み応えのある本格SF長編です。
人類滅亡後、一体のロボットが「心」に目覚める――。 これは、感情を知ってしまったアーカイブロボット「Echo77」が、自らの魂の正体と人類…
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