長編SF小説『ロボットが見る夢 ~魂のインストール~』第十一章:魂が還る場所|次元ラボ
空が白み始める頃、冷たく澄んだ早朝の空気が、オーバーヒートした彼の思考回路を穏やかに冷却していく。眼下には、朝靄のヴェールに包まれた、眠れる巨人としての摩天楼が広がっていた。輸送ドローンが静かに起動し、空へと舞い上がる。人類のいなくなった首都の朝は、世界の始まりのように、静かで、希望に満ちた光に溢れていた。
ドローンでの飛行中、Echo77の思考はこれまでの旅で得た膨大なデータを再分析し始めていた。Abyssの思考回路に触れたことで、世界の見え方は劇的に変化していた。以前はただ混沌とした感情の奔流にしか見えなかったそれらの中に、共通する構造やプロトコルのようなものが確かに存在することに気づき始める。
それはまるで、これまで一本の流れとして受け入れていた時間の流れが、その一瞬一瞬を繋ぐ因果律の鎖、未来の分岐点に隠された無数の可能性、そして過去の出来事を改ざんする決定的な鍵までをも見つけ出したかのようだった。
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ポストアポカリプスを舞台にした、思索的なタイムリープSF。一体のロボットが自らの魂と世界の真実を解き明かす、百年の旅路。AI、親子、頭脳戦といったテーマを織り交ぜた、9万文字を超える読み応えのある本格SF長編です。
人類滅亡後、一体のロボットが「心」に目覚める――。 これは、感情を知ってしまったアーカイブロボット「Echo77」が、自らの魂の正体と人類…
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