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海外で「教える」をあきらめなかった私の仕事術

残り10

海外で暮らすと、まず直面するのが「言葉の壁」と「自分の立ち位置の変化」です。

日本では長年、小学校教員として、教壇に立ち、子どもたちに囲まれていた日々。
教えることは、私にとって当たり前で、誇りある仕事でした。
でもドイツに移住してからの私は、言葉も分からず、自分の力が半分以下に削られたような気持ちになっていました。
私が住んでいる町は、小さな町で日本人が多く住んでいる大都市からも遠いのです。
この町で、自分のキャリアを活かした仕事を見つけるのは、大変だろうなと思っていました。

「今の私に、何ができるんだろう?」

そんな手探りの日々を経て、見つけたのが、Volkshochschule(市民大学/ 以後VHSと表記)での日本語講師の仕事です。
サラリーマンでもなく、フルタイムの正規職員でもないけれど、私は再び「教えること」を仕事にできています。

この記事では、言葉の壁の中でも「教える」をあきらめず、実践の中から学んだ工夫や発見についての仕事術をお話しします。

■ 「外国語が話せない先生」が授業を始めた日

ドイツに来たばかりの頃の私は、レジで「レシートはいりますか?」と聞かれても、何を言っているのかわからず、固まるレベル。
店員さんに何か聞かれても分からず、買いたい食材の名前も読めず、とにかく「言葉の壁」の高さに毎日打ちのめされていました。

それでも、何かを変えたい一心で、運良く空きをひとつだけ見つけられ、一年間の「インテグレーションコース(移民向けのドイツ語の統合コース)」に通い、なんとかドイツ語のB1レベルに到達。

そのVHSでインテグレーションコースに通っていた頃、「日本語講師をやらないか」というお誘いをスタッフの方から頂いたのです。
VHSは市民向けに様々なコースを提供している学校です。
語学だけでなく、ヨガや絵画、写真のコースなど、いわゆる生涯学習ができる学校なのです。

「私のような不完全なドイツ語でも大丈夫だろうか……」

正直、不安しかありませんでした。
だから、そのスタッフの方には
「B1に合格するまで、待ってもらえますか?」
と伝えていました。

無事に試験に合格した後、仕事をしたいとメールを送りました。
VHSの担当者はこう言ってくれました。

「あなたには教える経験がある。ドイツ語がうまく話せなくても、ぜひチャレンジしてほしい。」

この言葉が、どれほど私の背中を押してくれたか分かりません。

■ 「言葉だけ」に頼らない授業をつくる

授業が始まった当初、私が最も苦労するだろうと予想したことは、「説明が通じない」ということでした。
日本語をまったく知らないドイツ人に、ゼロから言語を教える。
その説明はドイツ語でしなければならない。

語彙も、文法も、とっさに説明するには、まだ自信がない。
そんな私を助けてくれたのが、小学校教員としての経験視覚的な教材でした。

私がVHSで日本語を教える際に使っている教科書はこちらです。

※ここから先は有料部分です。作成して使っているスライドもどのように使っているか紹介します。

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