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「珍しい鳥」アイリス・アプフェル

アイリス・アプフェル

という女性を知っていますか?

このドキュメンタリーが公開されたのは2016年だそうで、その頃よく色んなところのおすすめに出てきていて、ジャケットのカラフルな感じとアイコン的な大きいメガネのおばあちゃんの印象で見かけて気になってはいたのですが、
「94歳でモデルをしているちょっと珍しい感じの女性がチヤホヤされているドキュメンタリー映画かな」
と見るのは先延ばしにしてました。


でもこの女性、凄い以上の実力のある人でした。

見た目のアイコン以上に実績が凄いw

・その独特な感性で美術館やホワイトハウスの内装を任されたり、顧客にはジャクリーン・ケネディ。
・存命での女性で初めてNYのメトロポリタン美術館に展示され、口コミで大盛況を納めた人物。
・彼女の勧める商品はTVショッピングなどでは常に完売。
・今では普通ですが、1940年代に当時男性のものだったジーンズを着用した初めて女性。



など。この辺は本当に一部ですが。


ファッションは全てに繋がっている



多分ファッションが好きな方は「アイリスのファッション可愛い!」と言うだけでも見ていて楽しめるかもしれません。

彼女は服を選ぶ際、毎回感性を大事にしながらただの寄せ集めではない「新しい」組み合わせを考えながら選んでいるそうです。
その組み合わせが彼女のスタイルとなる。

Filmmarksの口コミにもよくありましたが、洋服はただの服でもありただの服でもない。
知識をつける必要がある理由は、
歴史は本や美術、音楽から学び、政治や経済と並行してファッションと繋がっていると言うこと。

「時代が服に現れる」

と言うように、彼女は洋服を見ればその時代がわかるそう。

少し前に見たグスタフ・クリムト展の作品。

クリムトは建築の装飾から画家になったが、彼もまた、生涯のパートナーだったファッションデザイナーであり実業家のエミーリエ・フレーゲという女性に洋服のデザインや模様を提供していました。


確かにその時代ごとにファッションは反映していて、
「創造」というものは色んな場面で常に作られています。

フランスでは、日本でいう「人間国宝」と呼ばれる栄誉が料理人に与えられています。

アイリスも言っていますが、それでも時代とともに流行りも巡っている。
彼女は歴史の知識があり、伝統のものを今のものとMIXして新しいスタイルを作るのがとても評価されています。

それはとても意味のあることで、そして94年生きてきた彼女だからこそ信憑性のあるピッタリな役だと思うのです。


大きな黒縁メガネと特徴のあるアクセサリーが彼女のアイコン


「楽しい」「楽しそう」が全て


私の記事でもよく出てきますが、人としての一番の理想は
「楽しい」と何百万回も言いながら過ごすこと

アイリスは元々織物業界に行くつもりはなく
「流れに身を任せただけ」
といいます。

年齢や体のこともあり、「疲れた」「クタクタよ」と頻繁に言っていますが、彼女はこの1時間ちょっとの映像の中で
「楽しい」を何十回も言っています。

立ち姿の姿勢も私よりも綺麗で、服やアクセサリーを見ている時はパワーが全身にみなぎっているのが分かります。

自宅にインテリアや置物を説明する際、どこで誰から購入したかも鮮明に覚えているのに驚きました。

ある置物を姉弟から一通り購入した時の話で、
「全部並べて分かったんだけど、彼は旅に憧れている」
という話が何故か印象に残っています。
彼女は本当に適当に買い物をしているわけではなく、置き物一つにもストーリーがあり、全てのアイテムに思い入れを忘れないこと。

「楽しい」に全身全霊注ぐのだと。


最愛の夫 カールの存在

公私ともに結婚時から2014年に亡くなるまで常に一緒にいた夫のカール

このドキュメンタリー作品の中での彼のアイリスへのコメントはどれも本当に素敵でした。
「彼女との生活は美しい旅のようだ」
「私は彼女の子供だよ」
「神様が許してくれるなら妻と一緒にもっと色んなことをしたい」

「彼女といて退屈したことは一度もない」
というように、彼女との日々を常に映像や写真に収めていたカール
レンズを変える時間がもったいなくて、望遠用、普通用、広角用の3台のカメラを持ち歩いていたそう。

90歳を過ぎてもアイリスの着ている服を褒め、呼吸するように「美しい妻よ」といいます。

アイリス同様話すことにユーモアがあり、常に笑顔でずっと彼女を見ている。

全ての男性にこんなことを求めてはいません。
全ての女性がアイリスのように年齢問わず沢山の人に注目されていませんからw

私のタイミングもありますが、クリムトやアイリスはどちらも自分をとても大事にしながらも、人生を共に生きるパートナーの存在がとても大きかったことが印象に残っているのです。

自分を客観的に見るなら


誰かが「映画にしたい」という人生を送っている人など一握りにもありません。
そんな映画を見た時、大体は子供の頃から何だかその人の向かうところが決まっていたように見えてしまいます。

きっとそれは羨ましかったり嫉妬だったりから来る自分の人生との比較を無意識にしているのかもしれません。

「美人じゃなくてよかったと思ってるくらいよ。」
「努力して魅力を身につけるの」
「色んなことを学び、個性を磨くのよ」
「味のある人間になれるし、歳を取っても変わらない」

本人がどう思ってるにしろ、(言葉は悪いですが)私にはブッ刺さりましたw

「好奇心」と「ユーモア」の2つを大事にしているアイリス・アプフェル

「全ては手に入らない」と、子供は作らなかった彼女。
2024年に102歳で亡くなるまで、自分の大事にしているものを愛していました。

ほとんどメガネやサングラスをしていましたが、彼女の瞳は本当にキラキラしていて綺麗です。

自分が死んだ後なんてどうでもいいと思っていますが、生きてるうちは、大事なものを愛していける毎日を送りたい。


この出逢いで、そんなことを忘れないようにしたいと思える作品でした。


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