見出し画像

感謝の押し売りは自己啓発ハラスメント。心を軽くする「昆布」のハッキング術

純喫茶「天の川」のボックス席から、今日も奇妙な声が聞こえてくる。

「とんちゃん、いいかい。この赤点は宇宙からのギフトなんだ。ネガティブな周波数を断ち切るために、まずは感謝の作り笑いだ! はい、口角上げて!」

月刊ムーを片手に熱弁を振るっているのは、天然パーマの男子高校生、通称「オバチャン」。波動研の部長である彼は、オカルトと自己啓発をこじらせた青春の真っ只中にいる。

対面には、幼馴染の「とんちゃん」。彼女はテストの悲惨な結果に絶望しているというのに、密かに想いを寄せるオバチャンの手前、親指と人差し指で震えるOKマークを作り、「あ、ありが…とう…ウフフ……」と、この世の終わりのようなエセ笑顔を浮かべていた。

カウンターの端っこでグラスを拭いていたはしぞうが、「あの感謝、完全に目が死んでるっすね」とボソッと呟く。アタシも全く同感。あれはただの「自己啓発ハラスメント」の地獄絵図よ。

世の中には「どんな困難にも感謝しましょう」という立派な教えが溢れてるわよね。確かにそれは真理なのかもしれない。でもね、心の中が土砂降りの時に、無理やり「素晴らしいお天気です、感謝します」と思い込もうとするのは、脳に対する立派な詐欺行為。そろそろやめにしない?

人間の脳の検索エンジン(RAS)は、私たちが思っている以上に優秀なの。 だから、「こんなに悲しくて腹が立っているのに、嘘の感情を捏造させられている」とすぐに気づいて、余計にエラーを起こしてしまう。無いものや、マイナスな出来事に無理やり感謝しようとするから、息が詰まるのよ。

人間なんて、「ただ息をして生きてるだけで偉い」くらいのポンコツで十分。立派な日本の神様たちだって、神話の中で激怒したり、すねて洞窟に引きこもったりしてるじゃない。24時間365日、聖人君子のようにポジティブでいられるわけがないの。

だから、心が動かないなら、心は一旦そのへんに放り投げておく。 そして、「体」から脳をハッキングしてしまえばいいのよ。

開店前の薄暗いスタッフルームで、アタシとはしぞうがこっそりやっている「笑いヨガ」。実はこのメソッドも「作り笑い」から始まる。そして「感謝の笑い(Appreciation Laughter)」という公式エクササイズもちゃんと存在するわ。 でもそれは、さっきオバチャンがやらせていたような「感情を捻じ曲げる痛い作り笑い」じゃないの。

ただ相手と目を合わせ、指でOKマークを作って、言葉を使わずに優しく笑い合うだけ。 「今日も空気が吸えるね」「一緒にコーヒーが飲めるね」という、すでにあるものに対する、生存レベルのフラットな確認。

感情なんて無視して、ただの体操として横隔膜を動かす。海藻になりきってゆらゆら揺れる「昆布笑い」や、目をひん剥いて舌を出す「ライオン笑い」で、理由もなく「ハッハッハ!」と息を吐き出す。 すると、愛すべき私たちの脳は「あれ? 今こんなに体を動かして笑ってるってことは、アタシ幸せなんだな?」とあっさり騙されてくれるのよ。

無理なポジティブで鎧っていた重たいエネルギーがスッと抜け、心にポッカリと「余白」ができる。 「あぁ、お茶が美味しいな」「いい天気だな」。 そんな当たり前のことに対する本当の感謝は、笑って心が軽くなったその余白にだけ、底の方から自然と湧き上がってくるものなの。

推命ラボの幸来子がよく言うように、人はそれぞれ独自の「初期装備(四柱推命の星)」を持って生まれてくる。他人の立派な攻略本を真似て、自分の感情に嘘をつき続ける(陰転)のはもうやめましょう。

昆布になって笑い、心が軽くなったなら。 そこでお気に入りのバレットジャーナルを開き、今日見つけた小さな喜びを書き留める。その「幸積み」こそが、脳に本当の幸せを定着させる最強の魔法なのよ。

……とはいえ、アタシはただ、カウンターでキャンディを舐めながらコーヒーを淹れているだけの女。

あなたの「初期装備」が具体的にどんなもので、どうすればそれが一番輝くのか。そんな他人の人生の詳しい攻略本までは持ち合わせていないわ。

無理なポジティブという重たい鎧は、一回笑って脱ぎ捨ててしまいなさい。 心のレンズの曇りを拭うのは、いつだってあなた自身の手よ。

最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さまの心のレンズが、いつだってクリアでありますように(。-人-。)✨
Love & Peace💕

※この作品は、AI漫画生成ツール(新宇佐美式AI漫画)を使用し、 著者の指示のもとで制作されたコミックエッセイです。

#創作大賞2026 #コミックエッセイ部門


いいなと思ったら応援しよう!