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cozy_quokka1514
宙職人①
満天の宙を、いくつもの星が静かに流れていく。
それぞれの星には、新しい命が乗っている。
僕は、その星たちを落とす仕事をしている。
正確には、転生した魂を、決められた地上へと届ける役目だ。
星が流れるたび、宙はかすかに軋み、
そのたびに世界のどこかで、誰かの産声が準備される。
だが――
星を落とす今日最後の仕事で、僕はミスをした。
初めて転生した魂を届ける前に、
うっかり、手を滑らせてしまったのだ。
魂は、地上へ向かう途中、
不思議な魔方陣のような模様を浮かべた水たまりに、音もなく沈んでいった。
僕は息を呑み、すぐに魂の追跡を始める。
その水たまりを覗き込むと、そこに広がっていたのは、天と地が逆さまになった街だった。
逆さまの街では、空が足元にあり、
建物は雲に向かって垂れ下がっている。
だから、地面に落ちたと思った魂は、
今この瞬間、天に向かって飛んできているのだ。
次の瞬間、
光の粒となった魂が、僕の視界に飛び込んできた。
僕は慌てて手を伸ばし、
その温もりを確かめるように、そっと掴む。
鞄の中へ戻しながら、
胸の奥で、静かに言葉を結んだ。
——いい人生になりますように——
それが、今日最後の祈りだった。
そして僕は、
本来届けるべき地上に向けて、
魂を乗せた星を、もう一度、そっと落とした。
✨こちらの企画に参加させて頂きました。
