【リシケシュ留学日記 #1】日本からダイソンを持って行ったが不動、私を救ったのは、20分で届くインドの爆速デリバリーだった。
リシケシュに着いた初日。
私は日本から、愛用のダイソンのドライヤーを持ってきていた。
しかも、くるくるアタッチメント付き。
オンラインで就職活動もしようと思っていたし、毎日パックをして、髪もちゃんと整えて過ごすつもりだった。
「インドだからって、美容は諦めたくない。」
そんな気持ちで、スーツケースの主役ばりにど真ん中のスペースを占領させて持ってきた。
ところが。
コンセントに挿しても、うんともすんとも言わない。
「あれ?」
何度試しても動かない。
そうだった。
インドは電圧が違う。
完全に忘れていた。
泊まっていた宿はとても素敵だった。
だから当然、ドライヤーくらい貸してもらえると思った。
でも、ない。
変換プラグはある。
でも変圧器はない。
レンタルドライヤーもない。
近くに電気屋さんがあるか聞いてみても、
「バイクでシティーの方に行かないとないよ」
と言われる。
着いた初日から、軽く絶望した。
そんな私に宿の人が教えてくれた。
「Blinkit使えば?」
……何それ?
アプリを教えてもらって入れてみる。
ドライヤーを探す。
注文する。
現金払いを選ぶ。
そして。
20分後。
本当にドライヤーを持った配達員さんが宿まで来た。
え?
早すぎない?
ここ結構山の上なんだけど。
しかも700ルピーくらい。
日本円なら千円ちょっとだったと思う。
細かいお金を持っていなかったので、「お釣りはチップです!」と言ったのに、「ノン、ノン」と真顔で断られてきっちりお釣りを渡された。インドの配達員さん、めちゃくちゃ律儀。

ドライヤーはちゃんと使えた、電圧が強いからなんならダイソンより速く乾く。
その後、私はこのBlinkitに何度助けられたか分からない。
水も。
ジュースも。
お菓子も。
シャンプーも。
「あ、これ忘れた。」
と思ったら30分もしないうちに届く。
しかも、ペン1本から届けてくれる。
最初は、
「インドって不便そう。」
と思っていた。
でも暮らしてみると、
日用品の買い物に関しては、日本より便利なんじゃないかと思う瞬間すらあった。
インドに来る前の私は、
「何を持って行けば困らないか。」
ばかり考えていた。
でも実際に暮らしてみると、
「困ってから現地で何とかする。」
そのくらいのほうが、案外どうにかなる。
リシケシュ生活は、そんな小さな驚きから始まった。
日本で「完璧な準備」をして安心しようとしていた私は、インドの爆速デリバリーに、初日から救われた。
完璧に整えてから旅立たなくたって、世界は案外、どうにかなるようにできている。
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