水たまりのできる家
父が建てた家は、欠陥住宅だったのだと思う。
私は第2次ベビーブームの最後っ屁として、昭和のサラリーマン家庭の第3子として生まれた。
当初の借家はそれはそれは狭かった。
私が小学3年生の時、もう少し広い家に引っ越す話が出た。中古の一軒家を家族で見に行ったのだが、売り主と折り合いがつかなかったらしく、家を新築することとあいなった。
自分の部屋が持てることは嬉しかった。壁紙と床のビニールシートを選ばせてもらった。少しずつ完成していく家に夢は膨らんだ。「鉄筋コンクリートだから地震が来ても大丈夫」と満足気に父は話した。
引っ越して初めての冬、その家はそれはそれは寒かった。まずは電気ストーブが導入された。スリッパの裏を網につけたら、網に当たる部分が溶けてしまった。
次に石油ストーブが導入された。部屋の中でコートを着て、ストーブの上でチョコリエールを焼いて食べた。結露によって床のビニールシートの上に水たまりができた。
夏は夏で大変暑かった。扇風機でしばらく我慢していたが、耐えきれずエアコンが導入された。コンクリートの壁に穴を開ける音が響いた。建てる時に開けておけば良かったのに、と思ったが言わないでおいた。
例の中古の物件を購入した方が良かったんじゃないか。断熱材が入っていないんじゃないか。と、兄弟でコソコソ話した。
もしかして私が家を買いたくないのは実家が欠陥住宅だからじゃないか、と書いていて気づく。
まだ、家はそこにある。確かに鉄筋コンクリートだけあって、壁はしっかりしている。壁紙は湿気でペラペラとめくれ、床の木材は歩くとフガフガと沈む。
父が要介護認定されたので、補助金で家の修繕をした。非常に有り難かったが、子ども3人産んでも家の修繕費の補助金なんぞないしオムツ代も自腹なのは間違っていると思う。世の政治家は私に三顧の礼を尽くすべきなのにのに。
不動産価値としての家はもう減価償却している。雨風をしのぐ屋根として父を守りつづける健気な家は、今日も私をちょっとほろ苦い気持ちにさせる。
#なんのはなしです家
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なんと!いいんですか!?
ありがとうございます😊
あなたにいいことがありますように✨