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「息がしづらい」の正体

実は今日、職場の産業医の面談を受けた。

なぜかというと……
社員全員が受けねばならない「ストレスチェック診断」というもので、
なんと、高ストレス状態をたたき出したから。

と言っても、これまでにも「高ストレス状態」はあった。
特に、稀な病気の闘病中もこの職場で仕事をしていた。
その時に、一度面談を受けている。

その時は、東京のとある産婦人科に勤務する女性の先生だった。
しかも「貧血」と高ストレス、両方が気になって……って言われたっけ。

手術後の、勤務開始時の面談も、その先生だった。

だから
「あの先生なら、お話ししやすいし、女性特有の悩みも話せるし。
同じ先生ならいいな」
と思っていたのだが。

そううまくはいかなかった。

勤務中、指定された時間になったら、こっそり持ち場を抜け
(上司だけが面談をうけることを知っている)
別フロアの端っこの、初めて入る小部屋へ行く。

そこにPCがポン!と置かれ、オンラインミーティングの画面が出ていた。
そして、想像していた女性の先生ではなく、
はじめまして!の男性の先生だった。

限られた時間で……なので、前置きもそこそこに
「今、どうですか?なにか体調で困っていることはありますか?」

と、突然始まった、この面談。

何を、どこまで話せばいいのだろう……。

手元には、A4用紙が1枚。
昨晩まとめていたレジュメを手にしているのに、戸惑っていた。

もちろん、話しやすいかどうかは相性もある。
先生がどうだ、というわけではない。

ただ、うまく言葉が出てこず、何度も口ごもった。

職場で嫌だと感じていること。
ある人達からの嫌がらせのようなことが、少なくとも、この3年は続いていること。
それが原因で、体に起きている変化。

ひとつずつ説明しようとするのに、言葉が途中で詰まる……というか。
だんだん息がしにくくなって、ついに言った。

「すみません……この話をしようとすると……息が……」
胸の上部をトントントンと叩かないと息がつまる。

先生から言われた。
「それは、もう身体症状として現れていますね」
その言葉を聞いて、少し驚いた。

わたしはずっと、このことを話すのが嫌なだけだと思っていた。
うまく説明できないから。
色々思い出して、泣かないように我慢しているから。

息がしにくくなることも、
言葉が出てこなくなることも、
自分が弱いせいだと思っていた。

でも、体はとっくに何かを訴えていたようだ。

思い返せば、不安なことや強いストレスを感じていることを話そうとすると、息が浅くなることがあった。

胸のあたりが詰まる。
喉が閉じるように感じる。
話したいのに、うまく言葉が出てこない。

それでも、話さなければ伝わらないからと、
無理に続きを話そうとしていた。

「ふーーーーー」っと大きく息を吐いて。
肩で息をしてしまうのを、胸をトントン叩いて整えて。

けれど、「話せない」のではなく、
体が「これ以上はしんどい」と止めに入っていたのかもしれない。

どこからが疲れで、
どこからが不安で、
どこからがストレスなのか。
自分でも、もうよくわからない。

息が苦しい。
言葉が出てこない。
眠いのに、眠れなくて焦ることがある。
食欲のムラ。
こんなんじゃだめだ!と思うのに、その半分も動けない。

そうした変化が出ているときに、

「気のせい」
「まだ大丈夫!まだイケる!」
「わたしだけじゃなく、みんな大変だから」

と、自分をだまし続けると……取り返しのつかないことになる。

先日、自宅を調べられ、
Googleストリートビューに映る我が家の様子を見せられた出来事について書いた。

あの記事を書くには、思っていた以上に勇気が必要な、とても大きな出来事だった。
でも……気軽に反応できる題材ではないのもわかっていた。

予想通り、まあ読まれない。

それでも、同じような経験をした人から言葉が届いた。
寄せられたコメントを読んだとき、響く人には、深く響いていたのだと勇気が沸いた。

経験していない恐怖を想像するのは、難しい。

ストーカー被害もそうだと思う(経験者なので言う)。

何かをされた事実だけではなく、
「また何かあるかもしれない」と警戒しながら暮らす時間まで、
すべて含んだうえでの恐怖なのだ。

今回、わたしはようやく、その出来事だけではなく、
長く続いてきたことと、自分の体調を一緒に見つめ始めた。

これから少し面倒なことになるかもしれない。

本当は、こんな厄介なことに向き合いたくなくて、目をそらしていた。
「わたしさえ我慢すれば、何事もなかったように過ごせる」
……その牙城が崩れた今日。
もう立ち上がるしかない、と思った。

安心して働ける環境を、もう一度取り戻したい。
何より、わたしは、ちゃんと生きていたい。

だから今回は、できることをひとつずつやってみようと思う。

この先、どんな結果になるかわからないけど、
いつか区切りがついたとき、この経験を一冊の本にできるくらい、
記録しながら、真剣に向き合ってみようと思っている。

わたしと同じように「嫌なことを話そうとすると息が苦しくなる」あなたへ。

言葉が出てこない自分を、どうか責めないでください。

暑さも疲れも重なりやすい季節です。
体が出している小さな変化を、お互い、見過ごさないようにしましょう。


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