私の夏は、暑くなかった
こんにちは、みゆです🌿
会社員でフルリモート、フルタイム勤務をしつつ、二人の子育てをしています。考えすぎてしまう日々の中で、少しずつ整えてきたことを書いています。

私の夏は、暑くなかった
夏になると、思い出す景色があります。
青い空でもない。
照りつける日差しでもない。
汗をぬぐいながら、歩いた記憶でもありません。
私が思い出すのは、
曇り空、
少し冷たい風、
浴衣の袖口から伝わる肌寒さ。
「夏だけどやっぱり寒いよね」
そんな会話を自然に交わす土地で、私は育ちました。
30℃を超える日はほとんどありません。
Tシャツ一枚で過ごせる日は、一週間もありません。
夕方になると羽織るものが必ず欲しくなります。
そんな土地だからこそ、夏は特別でした。
その短い夏、一番楽しみにしていたのが夏祭り。
朝からそわそわする。
浴衣に袖を通すと、それだけで心が弾む。
着慣れない格好に、「今日は特別な日なんだ」と嬉しくなりました。
夕方、家を出る。
歩き慣れた道なのに、その日だけは違って見えた。
遠くから聞こえてくるお囃子
提灯の灯り
人の笑い声に、屋台の香り
会場へ近づくたびに、胸が少しずつ弾んでいきました。
屋台をのぞきながら歩く時間が好きでした。
「あ、あれ、かわいいな。」
「これ、おいしそう。」
そんなことを思いながらも、口には出せません。
期待と少しの不安を胸に、あちこちのお店を眺める。
普段は、物をほとんど買い与えなてもらえませんでした。
それでも夏祭りの日だけは、
「一つだけね。」と。
思わず顔がほころぶ。
その一つが、本当に嬉しかった。
母を思い出したのではなく、母親の顔を思い出した
小さい頃の親との楽しい思い出は、ほとんどありません。
愛された記憶はない。
「なんでこんなこともできないの。」
そんな言葉を何度も聞いて育ちました。
だけど、夏祭りを思い出したとき、思い出したのは、母親の顔でした。
浴衣を、わざわざ用意してくれた。
歩幅を合わせて、歩いてくれた。
屋台で立ち止まる私を、見守ってくれた。
誰かにとっては、「普通のこと」かもしれない。
でも私には、その「普通」がなかった。
だからこそ、今になってから気づきました。
あの時間の温かさに。
これまで、たくさん苦しい思いをした。
傷ついた言葉も忘れることはない。
決して、過去を美化したいわけではありません。
また、許したわけでもありません。
でも、
「あの日の母は、ちゃんと母親だった。」
それだけは、確かなこと。
心は、自分を守るように記憶をしまいこんでしまう。
辛いことがあると、その間にあった小さな優しさまで見えにくくなる。
私はずっと、「愛されていなかった」と思っていました。
でも、本当は違ったのかもしれない。
ほんの少しだけ。
ほんの一瞬だけ。
あの日の夏祭りには、親子の時間が確かにありました。
それに気づいたとき、何かがほどけたような気がしました。
子どもたちと夏祭りへ
今、私が子どもと夏祭りへ行く年になりました。
これまでは、子どもが楽しめればそれでいいと思っていた。
でも今は、少し違います。
私はどんな顔で歩いているのだろう。
子どもたちは、どんな景色を見ているのだろう。
子どもたちが大人になったら、
私と同じように、夏祭りを思い出す日が訪れるだろうか。
親子で一緒に笑った時間を覚えてくれたら嬉しい。
私が過去を思い出したように。
「何をしてあげるか」より、大切なこともある。
今は、「どんな時間を一緒に過ごすか」を大切にしたい。
夏の記憶が教えてくれたこと
過去を認めたわけではありません。
無理に許そうとも思っていません。
たとえ親子とはいえ、受け入れられないものもある。
ただ、一つだけ変わったこと。
良い悪いを決めつけなくてもいい。
そう思えるようになったこと。
同じ言葉でも、
傷つけることもある。
守ることもある。
優しい日もあれば、そうではない日もある。
物事は、一つの見え方だけでは語れない。
その変化は、誰かのためではない。
自分自身を、少しだけ自由してくれたのだと思います。
一つだけ、思い出してみる
昔の写真を一枚見てみる。
昔よく行った場所を思い浮かべる。
故郷の季節の匂いを思い出す。
そんな小さなきっかけで、忘れていた景色が、ふっと心に浮かぶことがあります。
記憶というのは、不思議なもの。
忘れたい記憶の中にも、宝物のような一瞬が隠れていることもあります。
思い出すことは、その一瞬を探しに行く作業なのかもしれません。
過去は変えられない。
でも、過去の見え方は変わる。
あの日の景色は今も、心の中に静かに残っています。
今年の夏、あなたはどんな景色を思い出しますか。
のぞみんさんの企画、3回目の参加です🌿
明るい夏の思い出を書くつもりだったのですが、自分の記憶をたどる時間になってしまいました😌
先日、夜7時ごろ、自宅で過ごしていると花火の音が聞こえてきました🎇
去年は窓を開けると、鮮やかな花火が見えたのですが、残念ながら見えませんでした。
場所が変わったのかもしません。
それでも、花火の音を聞いていると、この夏も始まったんだなと感じます🎐
今年は子どもたちと、どんな夏の思い出ができるのか楽しみです✨️
のぞみんさん、今回も素敵な機会をありがとうございました☺️

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