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やさしく遠ざかり、またやさしく寄ってくる——離れても、戻ってもいい場所でありたい

仕事帰りの電車の中から頭がどんどん重くなっていくのを感じていた。
自室にたどり着いた途端に、頭が割れそうなほどの痛みと吐き気をもよおした。

頭痛がすることは年に数回程度。
頭痛とは、ほぼ無縁の生活をしているのに、突然、爆弾級の頭痛に見舞われた。

あっという間に頭の中は物騒な病名で埋め尽くされた。
くも膜下出血、脳卒中、脳溢血…

とりあえず椅子にどさりと身体を預ける。
横になりたいけど、横になっていいものかわからない。
そもそもマットレスを敷く気力もない。

子どもの頃からベッド生活だったが、コロナ渦にマットレス変えた。
掃除が楽になり、快適だったけど、この時ほどベッドを処分したことを後悔したことはない。
ベッドがあれば、間髪入れずゴロンと転がっただろう。

椅子に座っていると、だんだん意識が遠のく。
「これ、救急車案件じゃ…。」
スマホを取り出そうとしても、腕に力が入らない。
なにより、身体を動かそうとすると、強烈な吐き気をもよおす。

一体、どうしたんだろう。
さっきまでいつも通り仕事をしていた。
たしかに10月に入ってから、体調不良は続いていたけれど。
仕事ができないほどではなかった。


こんな風になにかが急変することは、本人の意思とは関係なしに起こるのだ。


結局のところ、私の救急車級の危機はインフルエンザの予防接種の副反応だったようだ。


体調が急変する30分ほど前、勤務先のクリニックを出る直前にインフルエンザの予防接種を打ったのだ。
私はなぜかインフルにかかりやすく、予防接種も毎年している。
倦怠感や時々微熱がでるくらいで、ふつうに仕事もできる。

だからインフルの予防接種の副反応とは露とも思わなかった。
でも考えられるのは、それしかなかった。

私は自己免疫疾患の膠原病疑惑がある。
今のところ日常生活は送れているけど、思わぬところで存在感を示すことがある。
たとえばコロナワクチンの副反応で42度まで熱が上がるとか。

調べてみるとインフルの予防接種の副反応も酷くでることがあるらしい。

食べ合わせが悪かったようなものなのかもしれない。

今までなんでもなかったことが、突然、命の危機を感じるほどの脅威になる。
晴天の秋晴れの日に、突然、ゲリラ豪雨に合うように——

そして、そんな風に急変するのは天候や身体だけではない。
人の心はもっとアップダウンしながら、揺れながら一日を漂っているのだと思う。


人の心の移ろい——


そんなことを実感したできごとがあった。
9月に入ってから、立て続けに3つのメンバーシップ(以降メンシ)に加入し、退会した。

長年加入していたのに、退会したもの。
元々ファンだった主催者がメンシを始めたので、加入してすぐに退会したもの。

その3つのメンシで思ったのは
相手(主催者)も自分も一定ではないということ。
波長というのかな。

たとえば、長年加入していたのに退会したメンシは、主催者の環境の変化にともない、提供するコンテンツが変わってしまった。
初期のコンテンツが気に入っていたので、あの頃の魅力を、もう感じられなくなってしまった。

9月に加入したメンシは、元々のファンだった主催者が提供するものと、実際に提供されているもののズレを感じてしまった。


だから思うんだ。
人は誰しも、変わりながら、揺れながら生きている。
そのときどきの関心や、心の波長が合う場所に身を置いているだけのことだと。

私自身もセラピストとして、クライアントの旅立ちを見送ることがある。
やむを得ない理由で去っていくこともある。
誰でも自分の元を去るときは、残念だし寂しい。
去っていく理由は本当かもしれないし、本当でないかもしれない。

でも、そんなことはどうでもいいと思うんだ。

きっと縁とタイミングが合えば、また繋がることができると思っているから。
だから、クライアントが必要とするときに、いつでも戻って来られるように笑顔で送り出す。

実際に、状況が落ち着いて戻ってきてくれたクライアント。
転勤先や移住先から、季節ごとに写真を送ってくれるクライアントもいる。

定期的にセッションを受けなくても、そんな風にゆるく繋がれればいい。
クライアントが困ったときに、私の顔を思い浮かべてくれたら本望だ。
私と関わった人が、いつでも戻れる出入り自由な場所でありたいと思ってるんだ。

人生も、人との関係も、波のように寄せては返す。
遠くへ行ったと思っても、またふとした拍子に、潮の流れが巡り合わせてくれる。

だからこそ――
今、この瞬間を慈しみたい
たまたま波長が合って私のnoteを読んでくれている、この一瞬の繋がりを大切にしたい。

波が引いたあとに、また静かに寄せてくるように。
言葉も、人も、また出会う時がある。
それぞれのタイミングで。



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あさみみなこ|働く人のこころを整える執筆家 お読みいただきありがとうございます。 あなたの心に届いたら嬉しいです💕 いただいたご支援は、今後もより一層、心に残る作品創りに役立てさせていただきます🍀

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