まだ慣れない|不採用通知は、昔の声を連れてくる
半年仕事が見つからなかった。
最初は年齢だと思った。
経歴だと思った。
短期離職だと思った。
市場が厳しいからだと思った。
履歴書も直した。
職務経歴書も直した。
応募もした。
それでも決まらなかった。
苦しかった。
でも今思う。
本当に苦しかったのは、
仕事が決まらないことじゃなかった。
不採用通知が届くたびに、
私は自分の価値を否定された気がした。
私は採用担当だった。
年間2,000人の候補者を見た。
130人採用した。
だから知っている。
不採用と価値は別だ。
タイミングもある。
相性もある。
社内事情もある。
採用なんて、
いろんな要素で決まる。
でも自分のことになると違った。
不採用。
その文字を見るたびに、
昔から知っている声が聞こえる。
「ほらね。」
「やっぱりお前はダメなんだよ。」
私は43歳になった。
結婚もした。
母も見送った。
病気も乗り越えた。
作品も書いている。
それなのに、
あの声はまだ消えていなかった。
不採用通知が苦しいんじゃなかった。
あの頃の声が、
一緒に届いていただけだった。
