私が出会った愛すべき男たち 二|束縛というものを教えてくれた男
初めての恋だった。
三つ年上の、他校の彼。
すごく大人に見えた。
彼は、 「今どこ?」
「誰といるの?」
と、何度も聞いた。
学校帰り、会えない日は、
最寄りの駅に着いたら
一分以内に電話をする約束だった。
ある日、中学の男友達にばったり会った。
少し立ち話をした。
一分を過ぎていた。
電話に出るなり、「男と会ってただろ。」
ひどく怒っていた。
私は謝った。
悪いことをした気がした。
それからは、
一分を過ぎないように、すぐに電話した。
あれを、愛だと思っていた。
そう思うしか、知らなかった。

▶︎この作品を書いたあとに考えていたことを書きました。
創作ノート|束縛を教えてくれた男を書いたあとに、十年前なら書けなかった理由
