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2ヶ月「悪魔城ドラキュラ」を制覇することだけに費やした


「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」に収録されたレトロゲームの傑作、
「悪魔城ドラキュラ」
「悪魔城伝説」
スーパーファミコン「悪魔城ドラキュラ」
メガドライブ「バンパイアキラー」
をクリアした。

とんでもなかった。

同世代の特Aランクの名作…「マリオ3」「ロックマン2」「超魔界村」「スーパードンキーコング」などの奇跡みたいなゲームと並ぶ傑作だった。

子供のころ知り合いが持っていたのを触らせてもらって、知っているつもりになっていた。
今だからわかった。
苦いコーヒーの中にも酸味のあるものとエグいものがあるように、「難しいゲーム」のなかにも、美味しく消化できる難しさと、愛せない難しさがある。

「悪魔城ドラキュラ」の主人公は、ムチ一発を振るのにも隙ができるのに、100年に1回蘇るドラキュラを封印してくれと代々頼まれるベルモンド家の一族。

「マリオ」がうまい人は、歩いてくるカメの1秒後の位置を予測して、予想した地点にジャンプして踏んだあとの軌道の変化を思い描く…といったことを瞬時にやっている。

そういう感覚が常に、シビアに求められる。
ふよ~んと波線みたいな動きでメデューサの首が飛んできて、
~~~
ゆれながら飛んでくる敵を、ワンテンポ遅れるムチで的確に落としつつ、距離の調整ができないジャンプで足場をわたっていく。
足場はもろく、ときに踏み入れただけで割れて、落ちて、やり直しを命じられる。

メイン武器がすでに使いにくいというのが他にない個性で、サブウエポンは回数制限があるけどすごく使いやすい。そのコンビネーションが絶妙。

上空の敵を落とす「オノ」
貫通する「クロス」
設置攻撃の「聖水」

敵はムチの軌道の外から飛んでくるが、「上にいる敵」「遠くから来る敵」「はってくる敵」でサブ武器と相性の良しあしがハッキリある。
敵を知って準備していれば楽勝になる場面と、テクニックを指に覚え込ませないと突破できない所があって、「ただ難しくすればいいってもんじゃない、高難易度は、達成感とともに越えられるためにある」と、ファミコンの早い段階から意識して作られている。

まっすぐ炎を吐く砲台がある。
単体なら誰でも対処できる。
それが、「崩れる足場」の先にいると、ジャンプしながら攻撃しないといけない。

危険度がぐっと上がる。
さらにそこに、不安定に上下するコウモリが一匹追加される。
今、どちらにジャンプするのか、足場はもつのか。常に最適な行動を選ばないとアウトになる。
「この組み合わせイヤだろう?絶妙だろう?」
と、単体では苦労しなかった要素をまぜたレシピがつぎつぎと提供される。

それを何度も越えていくとどうなるのか。
顔の見えない開発者と会話しているような気になってくる。

死んだらけっこう戻されるんだけど、復活地点のあとに、体勢を立て直すための武器が出てくる。

詰め将棋のように、最低限だけど必要な武器は与えられる。
同じく高難易度の、ファミコン版「魔界村」とかと比べるとはっきり違う。あれは話が通じない。

最後のボスなんて、ちゃんと直前でクロス(十字架)が拾える。
「ドラキュラ退治はこれで決めたいよね」
と、露骨なぐらいわかりやすく、ゲームを通じてメッセージをくれる。

名曲、名トラップはあげていったらキリがないが、面白かったのが最終エリアの「振り子をジャンプでわたる場面」。

今までずっと足場のギリギリからジャンプさせておいて、最後の最後だけ、
「ギリギリで跳んだら足場を飛び越えちゃう」ところがあって、一拍置いてジャンプしないといけない。
最後の「はずし」に、
「なにそれそういうのもあるんですかああああ!」と言いながら落ちた。

悔しがりながらも、じらしにニヤリと笑うマゾの快楽。こんなものを少年時代に知っていたら、もう他では満足できない体になるところだった。ムチを持つ側が調教されるところだった。

スーパーファミコン版では、似たギミックが今度はシャンデリアで出てくる。
同じギミックが過去作を踏襲して出てくるのが面白い。

崩れる橋、時計塔、沼地と半魚人、フランケンシュタインや死神、そして名曲の数々が出たときの
「今作はここで、このアレンジできたか!」と、なる瞬間がたまらない。

スーファミ版のドラキュラは、十字架が有効に使えるように上下移動もしないし、最期はようやく昇った陽の光を浴びて消滅という、ドラキュラとして100点のやられかた。
なんで自分の城なのに、日光を取り入れやすい位置に窓を作ったんだ。
前の城主から奪ったとき、遮光カーテンを付けておくのを忘れたのか。

メガドライブ版は時代が現代に近くて、舞台もヨーロッパ中をまわるし、過去には時計台にあった歯車が「工場」にあったり、スケルトンがヘルメットをかぶっていたり、伝統をくずしながら新しい味を追加している。

メガドライブの専門的なことは分からないけど、3Dじゃないのに足場が立体的に動いているように見えたり、
「よく分からないけど工夫してすごい表現に見せている」感じが楽しい。

ガーゴイルなんて、しっぽが明らかに別のパーツでぐりんぐりん動いている。足場は多分回ってないのに3Dっぽく見える。下の方の雲も、細かい穴を開けて描くことで半透明に見えるようになっている。

パーツごとにうごく巨大ロボットやゴーレムも、CGがない時代の昔のSF映画みたいに、工夫でどうにかして凄いものを作った感じ。あのチャーミングさがある。

スーパーファミコンは1枚絵が美しく、メガドライブは速いキャラをたくさん動かせる。
続けてプレイすると、ハードごとの得意な表現がわかって、それぞれのハードのクセみたいのがわかる。
古典文学や美術のように「古典ゲーム」の授業があったらまっさきに配られるべきだ。

初期シリーズが終わると、プレイステーションの「キャッスルヴァニア」から探索型アクションになって再度の大ブレイクをする。タイトルも画面写真の印象も同じなのに、遊んでみたら全然違うのがややこしいけど、名作を今も遊べる環境にしてくれたスタッフに感謝しつつ、また次なるドラキュラ城攻略の旅に出るとする。

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南ミツヒロ 読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。

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