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「怖いトモダチ」読後、怖くなったのは“物語”よりも“自分の身の回り”だった。

最初は軽い気持ちで読み始めた。

「構成がインタビュー形式でサクサク読めるらしいよ」って聞いて、仕事の合間にちょっとずつ…なんて思ってたのに、気づいたら数時間で一気読みしてた。

だって、面白いんです。普通に。

でも、読めば読むほど「え、怖……」ってなる。
あの“怖い”は、お化けじゃない。ホラーじゃない。
むしろ“日常”にすっと紛れてる、あの感じ。


登場人物、16人。でも不思議と混乱しない。

こういう群像劇って、途中で「えっとこの人誰だっけ?」ってなること多いけど、この作品はそれがない。

それぞれの語りがちゃんと個性的で、なんなら「あ、この人の言ってること、ちょっと盛ってる気がするな…」みたいな“違和感”まで含めて、楽しく読める。

…でも、その違和感が、あとからゾクッとくる。


「この人、どこかで会った気がする。」

“ルミン”という女性のまわりで語られる16人の証言。

誰もが、ちょっとずつ違う“彼女”を見ていて、それが少しずつ少しずつ、ズレてるのに、誰も「おかしい」とは言わない。

読んでいて思った。
こういう人、いたかも。クラスでちょっと浮いてたあの子。
会社で絶妙に人を掌で転がしてた先輩。
みんなの「いい人」が、実は一番怖かったのかもしれない。


人間の“憧れ”と“盲信”は、紙一重だなって。

印象的だったのは、「あの人はカリスマだよ」「繊細で優しくて、憧れてる」みたいな証言たち。

でもそれが重なっていくほど、なんかゾワゾワしてくる。

私たちって、誰かを“信じたい”とき、けっこう都合よく記憶を塗り替えてしまってないかな…。
何かを見ないふりして、自分を守ってることってあるよね…。

そんなことを、読みながら何度も思った。


終盤、ひとつピースがハマる瞬間がある。

「え、まさか…」って思ってたアレが、やっぱりそうなのか…?と確信に変わる瞬間があって、読んでいて鳥肌が立った。

でも、スカッとする種明かしがあるわけじゃない。
“ダメ押し”みたいにじわっと終わるからこそ、後からずっと残る。なんなら読了後の方が怖い。


これ、女性に特に刺さると思う。

SNSでの人付き合いや、ちょっとしたママ友関係、職場の空気感。

「この人いい人だけど、ちょっと何考えてるかわからないな…」って思ったこと、きっと誰でも一度はあると思う。
その“モヤモヤ”が、この本を読むとちょっと輪郭を帯びてきて、でも確信は持てなくて…怖い。


最後に。

読む前は「怖そうな本は疲れるしな…」って躊躇してたけど、結果的には読んで良かった。

サクサク読める。
けど内容はサクサクじゃない。
後からじわじわくる、思い出したくない“あの感じ”を、しっかり味わえる。

もしかすると、ルミンさんは“特別な誰か”じゃないのかもしれない。
誰の中にも、ちょっとだけ「ルミン性」ってあるんじゃないかな。

自分の周りの人間関係を、ほんのり疑いながら読むのにちょうどいい一冊。


こんな人におすすめ

  • 人間関係の「モヤッ」とした違和感を感じたことがある人

  • 心理サスペンスが好きな人

  • 「怖い」のに引き込まれる話を探してる人

  • 短時間で読めるのに、ずっと記憶に残る本を読みたい人


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