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MVP ARCHIVE SCIENCE | Planetary Science PHASE 05-02 : Enceladus / エンケラドゥス

Enceladus / エンケラドゥス

エンケラドゥス

エンケラドゥスは、土星を公転する氷の衛星の一つであり、現在、太陽系で生命が存在する可能性が最も高い天体の候補の一つと考えられている。

液体の海が存在する可能性

直径は約500kmと月よりはるかに小さい。しかし、その小さな天体の内部には、全球規模の液体の海が存在する可能性が極めて高いことが明らかになっている。

この発見のきっかけとなったのが、NASA探査機カッシーニ による観測である。

2005年、カッシーニエンケラドゥス 南極付近から大量の水蒸気と氷粒子が宇宙空間へ噴き出していることを発見した。
この「 プルーム 」と呼ばれる噴出現象は、地下の液体の海と宇宙空間が直接つながっていることを示す重要な証拠と考えられている。

その後、カッシーニ は何度もプルームの中を通過し、噴出物を直接分析した。
観測の結果、水だけでなく、二酸化炭素、メタン、アンモニア、有機分子、さらに海底で熱水活動が起きていることを示唆する微細なシリカ粒子も検出された。

これらの発見は、地下の海底で岩石と水が反応する環境、すなわち地球の 深海熱水噴出孔 に似た環境が存在する可能性を示している。

内部の海が液体であり続ける理由

エンケラドゥス 内部の海が液体であり続ける理由は、土星の重力による潮汐加熱である。
土星や周囲の衛星との重力相互作用によって内部が繰り返し変形し、その摩擦熱が地下の海を凍結から守っていると考えられている。

もちろん、現在まで生命そのものは発見されていない。

しかし、液体の水エネルギー源有機物という、生命に必要と考えられる主要な条件が同時に存在する可能性が示されたことで、エンケラドゥス は太陽系探査における最重要天体の一つとなった。

Planetary Science において エンケラドゥス は、小さな衛星であっても内部活動を維持し、生命が存在し得る環境を形成できることを示した代表的な天体である。

生命を探す場所は、地球のような惑星だけではない。
氷の下に隠された静かな海こそが、人類が次に答えを見つける場所になるかもしれないのである。


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