なぜ「こまったさんシリーズ」は今も残るのか ※短め!
出品中に見つけた、懐かしい一冊です。
『こまったさんのグラタン』(あかね書房)
「こまったさん」シリーズは、料理がテーマの児童文学。
ふつうの主婦が、なぜか不思議な出来事に巻き込まれ、料理を完成させる物語です。
そしてこの時期は、グラタンが食べたくなりますね。笑
① 作家と作品の強度
『こまったさん』は1985年初版。4年で25刷という事実が、まず作品の強さを示しています。

作者・寺村輝夫はアンデルセン国内賞を受けた児童文学作家です。物語の骨格がしっかりしています。
岡本颯子の絵は、台所という日常空間に躍動を与えます。
料理本でありながら、物語として読ませる構造。
この強力なタッグが、長く読まれる理由の一つなのかもしれません。
② 時代の空気
1980年代、料理は一種のブームだったのではないでしょうか。
家庭では、テレビの料理番組をメモする光景がありました。実際、わたしの家もそうでした。
レシピは、生活の中の小さなイベント。

祖母や母が、その日の料理番組のレシピを熱心に書き留めていたのを思い出します。
そんな時代に、料理を物語へと変えたこのシリーズは、生活と自然につながっていたのだと思います。
まとめ
子どもは物語を楽しみます。
大人はレシピを見ます。
読むことと作ることが、ひとつの本の中にある。
家庭の時間と結びついた児童文学は強いです。
だから今も、棚に残り続けているのではないでしょうか。
