【AIツールで毎日Webデザインを検証した結果のレポート】
こんにちは。ここ2年近くずっとAIが話題になっていますが、僕は毎日Webデザインに触れつつ教育に携わっている立場として、「デザインに明るくない人がどうAIをデザインに活用できるか」「これからデザインを勉強しようと思っている人がどうAIと付き合っていけば良いか」を常に考えてきました。
そこで、個人的に今までの情報をひと通りまとめ、AIを使ったバナー生成の検証もしたのでよかったら読んでください。かなり長く、専門性も高くて疲れるかもしれませんが、参考になれば幸いです。
■ 使ってきたAIツール一覧
まず私が触ってきたAIツールは、以下を中心にガンガン試しています。アップデート次第で使うツールは頻繁に変わっています。
ChatGPT
Genspark
Gemini
Claude
NotebookLM
…(他にも多数)

こういったAIを色々と試してみましたが、「直接的にデザインを生成して実務レベルで使えそうなもの」は出来ないのが現状です。たとえば40点くらいのデザインが出てきても、追加でAIに指示出してをしても60点にするのが精一杯といった印象で、アイデアのたたき台としては使えるかもしれません。しかし、
「正直、アイデアを探すならGoogle検索やPinterestで調べれば10倍良いものがたくさん出てくるし、それで十分では?」 というレベルです。
そのため「お客さんに納品する」となると現状は厳しく、CanvaやFigmaのテンプレートを使ったほうが圧倒的に速く、クオリティも高いものが仕上がると思います。
後述しますが、たとえAIが編集可能なデザインデータを生成できたとしても、それを修正・調整できるだけのデザイン力がなければ、結果的にクオリティの高いものは作れません。デザインのスキルや経験値がないままAI頼みで仕事をしようとしても、クライアントの要望に応えきれずに行き詰まってしまうでしょう。
■ 【AI生成のデザインの検証について】
結論:バナーのパターン出しには非常に有効。ただし01ができないと使えない。
実際、AIに指示を出してバナーを生成させてみましたが(上記のようなツールを使用)、そこから納品レベルまでAIだけで調整させるのはかなり難しいと感じています。完成度は30点程度で、うちのデイトラ生が作ったほうが遥かにクオリティが高いんですよね。
実際にプロンプトを調整して、デザインをAIに生成させたものを掲載します。こちらは
1.デザインもAIも全くの初心者がプロンプトを描いた場合
2.AIもデザインも両方明るい人がプロンプトを書いた場合
3.AIもデザインも両方明るい人が参考画像付きで、プロンプトを書いた場合
こちらの3つ利用者のケースで検証していきます👇👇
一見するとプロンプト1のchatGPTが優秀そうに見えますが、これ以外のテイストのデザインがうまく生成できず、全部同じようなデザインになってしまいます。
プロンプト1.
当スクールのセール用の広告バナーが欲しい。商品はデイトラというスクールで自宅で目指すWebデザイナーがキャッチコピーです
出力結果1




プロンプト2.
当スクールのセール用の広告バナーが欲しい。商品はデイトラというスクールで自宅で目指すWebデザイナーがキャッチコピーです。
メインタイトル: 上部に大きな太字フォントで「自宅で目指すWebデザイナー!」と配置
サブタイトル: 下部に「1万円引きキャンペーン中」と小さめのフォントで配置
CTA(コールトゥアクション): 下部に丸みを帯びた黒いボタン内に「▼ 今ならデザイン見本帳プレゼント!」と白字で配置 右側に波のグラフィック要素がある横長のECサイト用バナー、アスペクト比16:9、背景に薄いグリッドパターン、微妙な光の効果あり
出力結果2




プロンプト3
当スクールのセール用の広告バナーが欲しい。商品はデイトラというスクールで自宅で目指すWebデザイナーがキャッチコピーです。アップした画像を参考に以下のデザインにして。
メインタイトル: 上部に大きな太字フォントで「自宅で目指すWebデザイナー!」と配置
サブタイトル: 下部に「1万円引きキャンペーン中」と小さめのフォントで配置
CTA(コールトゥアクション): 下部に丸みを帯びた黒いボタン内に「▼ 今ならデザイン見本帳プレゼント!」と白字で配置 右側に波のグラフィック要素がある横長のECサイト用バナー、アスペクト比16:9、背景に薄いグリッドパターン、微妙な光の効果あり
参考画像👇👇

出力結果3




以上のようにo3は広告運用などで、バナーのパターン出しをしていく上で非常に有用な可能性があります。ただし、参考にして生成させた場合著作権に触れる可能性は非常に高いと感じましたし、拾ってきた画像などをAIに参考にさせるのは全くお勧めできません。
なのでデザイナーのように自分が著作権を持った80点の程度のバナー作り、それを元にAIでパターンを生成してお客さんに納品という使い方が非常に喜ばれ、現実的な使い方ではないかなと考えています。
デザイナーにとっては01が03くらいまでをAIによって、スッと伸ばせる非常にいい環境になりつつあると思います。企業においても、著作権を持っているデザインがあれば類似するものを生成し、広告の検証が非常にしやすいと思います。
他に感じたこととして、01をAIにやらせるくらいであればcanvaなどのテンプレートを使った方が70点くらいから始められますし、AIで作るよりずっと速度は速いと思います。以下のテンプレートでも一般的には十分なクオリティと感じると思います。
ただしcanvaなどで作成したものをAIに読み込ませたりするのは、著作権で問題になる可能性はあるので利用規約をチェックして利用して下さい。こちらはWebデザインにも同様のことが言えます。



■ 【1年以内のデザインの未来】
デザインの生成技術そのものは、ここ2年近く大きなブレイクスルーが起きていないというのが僕の率直な感想です。1年以内でも生成AIによっていきなり納品できるレベルのバナーやWebデザインが生成できるようになる日は、まだまだ来ないと思います。ただしデザイナーのソフトスキルや開発面でのAI活用は少しずつ進化してきていると感じます。
■ 要件定義のサポート
初心者デザイナーが陥りがちな「要件定義でのミス」は大幅に減らせると思います。たとえばCirclebackやtldvなどの議事録アプリを使ってクライアントとのミーティングを記録し、それをAIにかければ「要件の漏れ」や「アクションプラン」を教えてもらうことができます。これはデザイナーにとって大きなプラス要素で、技術的な部分もAIがサポートしてくれると思います。
■ MCPやA2Aによる開発トレンド
最近はMCPやA2Aを使った開発トレンドが出てきています。簡単に言うと、AIが他のツールと連携しやすくなる仕組みですね。これによってAIとデザインツールの連携がしやすくなり、作成した要件定義をAIがデザイン化して、そのままFigma用のちょっとカッコイイ要件定義書として出力される…といったことが可能になるはずです。
とはいえ、現状だとNode.jsを使いながらCursorでMCPサーバーを立ち上げてFigmaのアクセストークンを取得して…というように、技術的知識がないとかなりハードルが高いです。これが1年以内には「ChatGPT Operator」などを活用してもっと簡単に連携できるようになる可能性はありますが、正直そのくらいの進化にとどまるのではないかと思います。
一方、肝心のデザイン自体はAIモデルのアップデートによって多少精度が上がったとしても、「結局テンプレートでよくね?」 となるケースが多いでしょう。MCPに興味のある方は、Alex_yhooaiさんのブログも参考にしてみてください。 詳細な導入の手順を記載してくれています。

■ 【結局、基礎がないとダメ】
AIを用いたデザインの生成に驚くような発信が増えている印象ですが、デザイン業界はChatGPTが登場した2年前からそこまで大きく変わっていないというのが実感です。結局、スキル・専門性・責任感を持っていなければ、AIによって多少スキルの底上げをしても最終的に仕事を完遂するのは難しいのです。
この話は、デザインに近い領域である動画や絵画などの非言語的な分野でも同様でしょう。一方、AIはテキストベースの推論が非常に発達しているので、プログラミングやマーケティング企画、バックオフィスの仕事などは、今後さらに大きく変化してもおかしくありません。
実際、私は税務・財務・法務・労務の全般を一通り経験してきていますが、法務の分野においてはAIのおかげでかなり作業が楽になってきています。
■ 【まとめ:日々、ツールを勉強するしかない】
結局のところ、「AIは勉強すべきだけど、得手不得手がある」
という点を踏まえて、自分自身で常にツールを検証し、最新の情報をキャッチアップする姿勢が必要だと思います。大変革の時代で、1日でAIが大きく進化して状況が激変することだって十分あり得ます。もしかすると、皆さんが読んでいるこの文章も明日には 「いや、もう意味ないじゃん!」となっている可能性もあります。しかしAIはデザイナーの大きな味方となり、恐怖するのではなく、歓迎し仲良くしていくべきものだと思います。
Brandonさんがまとめてくれた。Figma代表によるデザイナーの未来
https://x.com/BrandonKHill/status/190777156538



要するに、「毎日コツコツとツールを学んでいく」というこれまでのスタンスは変わらないということ。AIが「そのうちなんでもやってくれる」という淡い期待だけで足を止めてしまうのは危険です。今日からでも専門性をしっかり高める努力を続け、仕事の効率を上げる手段としてAIも積極的に勉強していきましょう。
以上が、私がAIツールを使って日々Webデザインを検証してきた結果のレポートです。皆さんの参考になれば幸いです。
