超短編【世界遺産ミストゥルス段丘遺跡群レポート 2年3組 坂田葵】影が遅れて付いてくる超常現象🌟高校生の宿題レポート🌟ショートショート🌟不思議な物語
【世界遺産ミストゥルス段丘遺跡群レポート 2年3組 坂田葵】
1「ミストゥルス段丘遺跡群」を選んだ理由
わたしは、夏休みの宿題として出された地理レポートのテーマに、「ミストゥルス段丘遺跡」を選びました。
地理は苦手な教科なので、原稿用紙10枚分のレポートという超たいへんな宿題を、どうしよう!ちゃんとできるかなって不安に思っていました。
そんなとき、たまたま見ていたテレビのニュースで、ミストゥルス段丘遺跡が紹介されていました。
ドローン映像で現地の様子も映っていました。
最初は霧が濃くて真っ白です。見えにくいのですが、だんだんと霧の中に段丘がゆっくりと浮かび上がっていきます。
その霧の奥にずっと目を凝らしていると、「アオイ・・・」 と、おばあさんの声のようなものが聞こえました!
わたしの名前が葵なので、「アオイ・・・」と自分の名前が一瞬呼ばれたのかなと思いました。
でも、「ア」も「オ」も「イ」も、どれも母音からなる名前なので、あ~とか、お~とかいううめき声だったり、何かの動物のうなり声が混じったものか、案外、風みたいな自然の音かもしれないと考えました。
テレビを見ていただけだけど、まるで名前が呼ばれたような体験が気になるので、もっと調べてみたいなと思いました。
2「世界遺産 ミストゥルス段丘遺跡群」の特色
ミストゥルス段丘遺跡群は、南アジア・スリランカの高地にある、巨大な石を積み上げて作った段丘と、その周りのお寺や門、昔の住居などの遺跡を含めた広い地域を差しています。
一番のメインは、やはり段丘です。
その特徴のひとつで、不思議な現象があります。
霧が出ると、段丘の上で自分の影が半歩遅れて動くように見えるんだそうです。
YouTubeでこの遺跡についての動画を見ていたら、ガイドさんが説明していました。
ミストゥルスとは、現地の言葉で、「霧の向こうの先祖の影」だそうです。
そして、影が遅れることは、「ミストゥルスの時間」を意味するんだそうです。
ちょっとわかりにくくなりました。
「ミストゥルスの時間」
それは、どういうことでしょうか?
段丘遺跡において、わたしたちが自分の影だと思っているものは、本当には、霧の向こうから現れて、付いてきている先祖の魂です。
つまり、そんな影と自分とが対話しながら登っていくときが、ミストゥルスの時間なんだそうです。
わたしも、そんな考え方があると知って、びっくりしました。
さらにガイドさんが言っていたのは、霧が濃い日は、段丘の上で自分の名前を呼ばれた気がするという証言が多いみたいなんです。
だから、それに恐怖して危険な行動をとったりしないかサポートするためにも、現地のガイドさんと一緒に行くことが義務づけられています。
ガイドさんは、「昔、この地域に住んでいたミズナス族は、影は先祖の魂だと考えていた。 霧の中で名前を呼ばれたら、決して返事をしてはいけない」 と言っていました。
これを初めて聞いたとき、背筋がゾッとしました。
わたしがこの遺跡について最初に知ったのは単純にテレビのニュース映像でしかなかったのに、「アオイ」と聞こえた・・・それは、先祖の魂のせいかもしれないと思って、ハッとしました。
あまりにも心当たりがあるんです。おばあさんっぽい声にも。
3 世界遺産登録までの不思議な経緯
ミストゥルス段丘遺跡は、 つい3年前まで、スリランカの国のなかでもあまり知られない場所で、なかなか人が立ち入って正式な調査もできなかったようです。
理由は、霧が出ると、段丘の場所も微妙も変わり、形もわずかに変わるかららしいです。
世界の探検家が、整備されていない場所に入ることもたびたびあったみたいですが、どれも悲惨な最期を遂げることになった、とウィキペディアαに書いていました。
ネットの情報なので、事実をさらに盛って書かれているかもしれません。
地元の人たちだけは昔から、この不思議な現象をまじめにとらえて、先祖の魂とのコミュニケーションだと考えていました。
でも、科学のほうを大切にする研究者たちは長い間、「そんなことはありえない」、「世界遺産認定することはできない。ただの錯覚だ」と片づけてきたのです。
しかし、3年前の調査では、それらが本当かどうか、確かめる実験が行われました。
霧の中で、現地の人々とともに、毎日毎日段丘の状態を根気よく撮影したんだそうです。
そうして撮影された段丘の写真を重ねていくと、段の数が違っていることやGPS調査でも、緯度経度も微妙にずれていることがはっきりわかりました。
そういうこともあって、世界中の研究者が大騒ぎするようになったのです。
その後の調査で、
「構造物は動いていないが、霧の中では段数が変わって見える」 ということが結論となりました。
でも、人の名前を呼ぶ声という謎も、GPS調査結果についても、まだ世界遺産で認められている項目じゃありません。
バンデルデンのクルナ宮殿を会場にして行われた今年の世界遺産を認定する国際会議で、ようやく世界文化遺産に登録されることになりました。
「視覚現象と伝承が一致する稀有な遺跡」であることがやっと認められたのです。
4 行き方
最寄りの空港まで:
成田空港または関西国際空港 ~ (乗り換えの場合) タイのドンムアン空港 ~ スリランカのクルナラコイ国際空港
空港から現地へ:
そこからバスで3時間でハラグアイドゥという街まで行きます。
さらに現地交渉をして、トゥクトゥクのような乗り物に乗ってミストゥルス村まで1時間進みます。
ミストゥルス村に着いたら、必ずガイドさんと合流してください。
ミストゥルス遺跡群という広い範囲のなかで動くときは、外国人ひとりでは絶対ダメということになっています。
ガイドさんは、「霧が出る日は、段丘の入口がいつもとは違う場所に見えることがある」 と言っていました。
現地の人でも、そこに行くと遭難することがあるし、なかなか救助隊も遭難者を見つけられないんだそうです。
本当に行く人は、たくさん調べて、危険なことにならないように絶対に注意してください!!
5 感想
わたしは、ニュースを見ていて、ちょっと不思議な体験をしたので、「ミトゥルス段丘遺跡群」を一生懸命調べることになりました。
最初は、 レポートが嫌だな、世界遺産なんて全然興味がないなと思っていました。
でも、実際にレポートを書いてみて、世界遺産といっても難しいことばっかりじゃなくて、こんなにびっくりするような物語がたくさん詰まっているんだとわかりました。
影が遅れて付いてきたり、名前を呼ばれたり、段の数が変わったりする・・・正直、怖いとも思いました。
でも、世界遺産に登録されたということは、実際に人間がわかりきっていないものごとも含めて、「ある」と認められたんだと思います。
今後は、たくさんの観光客で踏み荒らされないように、みんなでこの世界遺産を守っていくことも必要です。
まだまだ疑問に思うことはたくさんあります。
霧の中でもほんとに影が見えるのか、そんな場所で、自分の影はどんなふうに動くのか、また本当に自分の名前が呼ばれるなんてことがあるのか・・・
もしいつか、わたしが現地に行ける日が来たら、すごくドキドキするけど、いろんなことを確かめてみたいと思います。
* おしまい *
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