Part 3 | 公立小学校に通いながら、日英バイリンガルを目指すために、親として意識したこと 後編②
最後に、「会話」と「ライティング」に関して、公立小学校に通いながら、日英バイリンガルを目指すために、親として意識したことを振り返ります。
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Part 1 | 前編
Part 2 | 後編①
3-3 会話はほどほどに
私は英語育児に英語の会話練習は必要ないと考えています。英語育児で「やらない」ものを一つ決めるとしたら、それは「会話」だと今では思っています。
我が家で会話の取り組みをしてこなかったわけではありません。いろいろな外注英語レッスンを試しましたし、英語の語りかけも試しました。でも長続きしませんでした。それに、そういう取り組みをしていないときの方が、子どもたちから自然な発話がありました。
発話を引き出そうと周囲が働きかけるよりも、本人が英語の音声、本、動画に夢中になって、自然と頭が英語モードになっているときの方が、英語が飛び出しやすかったのです。
会話練習は不要と考える理由
<ベースがなければ練習にならない>
会話は総合力なので、ある程度の聞き取る耳、理解力、発する力が育っている必要があります。英語漬けの環境なら、英語でやり取りしながら吸収していくことも可能でしょう。しかし日本語の環境でこのやり方をしても、ふれる量が不足します。なかなか成果がないまま、子どもが大きくなってしまいます。
小学生のうちは、地道なインプットでベースをつくるのが先です。そうしながら、子どもが英語で発想して、それが口から出てくるようになるのを待つのがよいと考えます。
<無理に引き出そうとしなくても、条件がそろえば自然に出てくる>
英語のベースが出来ている英語育児っ子は、英語での受信と発信が自然にできるようになります。ただし、受信(聞いて処理する)は、あまり意識せずに行われますが、発信(発想して声に出す)は、英語の力以外にも、本人の気分、その時の状況、相手との関係、英語で伝える必要性などに左右されます。
このような条件を整えて、子どもが英語で話そうという気になる場面を作りだすのは難しく、それを維持するのも大変です。
ところが、子どもが成長して、英語で話したい気持ちが出てきたらどうでしょう。そうなったとき、あふれるように英語が出てくるかどうかは、それまでのインプットがものをいうのです。
自然にしゃべり出す子もいますが、小学生のうちは、話さなくて当然だと思います。親は、「片鱗」が見えたときには喜びつつも、表面にでてくるかどうかは本質ではないという意識を持つことが大切だと思います。
取り組むならインプットとしてのスピーキング
会話はやらなくていいと言われても、親としては子どもに英語を話せるようになってほしいし、早くその姿を見たい気持ちがあると思います。
子どもとしても、外国人と英語で関わる経験も、それを模した外国人講師とのレッスンも、とても新鮮で刺激的です。これをうまく利用したいところです。
でも、本来のアウトプットとしての会話やスピーキング、例えば「フリートーク」や「自分の考えや意見を言う練習」などは、インプットが足りていない状態でやろうとすると、あまりに非効率です。
これらは、当然ながら、英語のベースができてから取り組む方が、内容が深まりますし、はるかに早く上達するので、急ぐ理由がありません。
もし、取り組みの初期の段階で、英語講師とのレッスンを受けるなら、親としては、
1)日常の取り組みのスパイスとして取り入れる
2)取り組みを継続するためのペースメーカーにする
3)インプットの手段として利用する
ことを意識するとよいと思います。
インプットとしてのスピーキングとは、例えば次のようなものです。
フォニックスの取り組みとして、音を発する練習
読みの導入として、文字を見ながら音読する練習
文法の習得のために、文法パターンを唱える練習
会話に慣れるために、短いフレーズをやりとりする練習
実際の英語レッスンでは、いろいろな要素が絡みます。受け身にならず、そのレッスンを受ける目的を意識してぶらさないことが大切です。
会話ではなく「生き生きと音読できているか」を成長の指標に
スピーキングには、英語で処理し、英語で発想することが必要ですが、これを(日本語環境にいる子どもが)訓練する一番手っ取り早い方法は、「音読」だと考えています。
物語を声に出して読むとき、頭の中で状況・情景を思い浮かべながら、英語を声に出します。英語で内容を消化しながら、英語を発する練習ができます。
子どもたちの様子を見て、この効果を改めて実感したときから、私は英語の音読をますます重視しました。そして、生き生きと音読しているかどうかを子どもの英語の成長の指標にするようになりました。
思えば、その昔、帰国後の中学生だった自分が英語を忘れそうになったときも、「音読」に助けられました。一人で日々英語の音読に取り組んだところ、ことばの感覚が戻ってくるのを実感したのです。
また、最近では、Leahが英語の面接やエッセイのある中学入試を受けるとき、入試の直前は英語スクールの授業がなくなってしまったので、「ラズキッズ」という読書アプリで高速の音読に集中的に取り組んだところ、当日まで感覚を維持することができたということもありました。
このように音読は、英語で思考する・発想する訓練として効果絶大なのです。
(おまけ)親による英語の語り掛け & ちゃんぽんでの会話
以前に、「親が子どもに英語で語りかけること」と「日本語と英語のちゃんぽんで話すこと」というトピックについて書いているので、よろしければあわせてご覧ください。
(目次から飛んでください)
・ 英語での語りかけについて
・ ”ちゃんぽん”は悪くない、両語を「共有」しているなら、むしろ自然なこと
3-4 余裕があればライティング
取り組むならインプットとしてのライティング
スピーキングと同様に、小学生が英語のライティングに取り組むなら、インプットとしてのライティングに徹するのがよいと考えています。
インプットとしてのライティングとは、例えば次のようなことです。
1)つづりを学ぶために書く(PhonicsやSight Wordsの定着)
2)パンクチュエーションを学ぶために書く(英文を書くときの基本ルールの学習)
3)文法の基礎を定着させるために書く(文法の確認・定着)
4)コンポジションを身につけるために書く(文章の型の学習)
子どもが無理なく読める簡単な内容を、書くことによって定着させます。
日本語でもまだできていないこと(例えば、日記を書く、感想を書くなど)を、英語でやろうとするのは、英会話で初心者がいきなりフリートークをするのと同じで、時間の無駄だと思います。
家庭で取り組みやすく、継続しやすいのは、お手本を見ながらの「書写」です。または、例文を基準にバリエーションを書き出す方法です(例えば、「I wish I could ___.」という例文にいろいろな内容を当てはめていく、など)。
自分で書けるようになると、英語を「読む」ときの解像度が上がって、インプットが加速するというメリットがあります。
しかし、負担が大きく、それで英語の取り組み自体が続かなくなってしまうくらいなら、取り組む必要はありません。
小学生のうちは、書くことよりも、聴いたり読んだりすることに時間を使う方が合理的なのです。子どもとしての特性を生かしてインプットを蓄えて理解力を上げておくことが、中学生以降の大きな伸びにつながります。
(おまけ)英検も「インプットとしてのライティング」で対応可能
ところで、英検取得のために「書く」ことを意識する家庭も多いと思います。この目的にも、インプットとしてのライティングは効きます。英検2級くらいまでなら、これだけで十分にまかなえてしまいます。
自分の意見などを「考えて」書くことが必要になるのは、せいぜい英検準1級くらいからです。それまでは、「書き方のルール」と「聞く」「読む」で培った文の組み立ての力で対応できてしまいます。
(ついでに、英検のスピーキングについても全く同じことが言えます。)
元の記事はこちらです
(目次から飛んでください)
・ 「書く」について
まとめ
今回は「会話」と「ライティング」について振り返りました。
これまで3回にわたってお伝えした内容が「Minnieの超シンプル英語育児」の正体です。
細かいこともお伝えしたので、親の役目が盛沢山に見えたかもしれません。でも、方針はいたってシンプルであることを感じ取っていただけたでしょうか。
日本語で教育を受けながら、将来の日英バイリンガルを目指すなら、小学生のうちは、日本語を追うように、英語のインプット内容を着実にレベルアップしていくことが重要です。
これを実現するために、英語のベースづくりに集中的に取り組みます。
早い段階で英語の「音の習得」と「文法の基礎」に取り組み、「話す・書く」はがんばり過ぎない(時間をかけ過ぎない)こと、取り組むならインプットとして取り組むこと、がポイントです。
帰国子女であったり留学したりしなくても、日本で生活するなかで、高い英語力を身につけることは可能です。
それには、小学校時期をいかに過ごすかが鍵になります。
そして、親の意識の持ち方次第で、進み方は大きく変わってきます。
教材ありき、スクールありきではなく、家庭での進め方を検討するうえでのヒントになれば嬉しく思います。
お読みくださりありがとうございました。
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