【寄付を文化に】 八田 零 #1 『Tilting Tomorrow』
Tilting Tomorrow
「Kindleをつくろう」
「おい、親父、このペン全然書けねえよ」
水曜日、ふと、純は、会社がえりに文房具屋に寄った。時計は18時をすぎたところ
「あっ、ごめん。替え芯はそこの棚ね。オススメは0.7かな。ボクは細いより太いほうが書きやすいから」
文房具屋の親父はいつもこうだ
飄々としてるのか?呑気なのか?
あまり怒らない純がイラっとしている
「いやいや、そんな具体の話じゃなくて、スラスラ魔法みたいに書けるって言ってたじゃん。全然、書けないんだけど」
「……えっ!?」
細い目を思いっきり見開いて親父がこっちを見ている。そんなおかしなこと言った??
急に不安になった。
「書けてんじゃん。Tilting Tomorrow ヒロに曲まで作ってもらって。そのペンのおかげじゃね?替芯はそこな。5本入りがお得だよ」
ん?あれ?ここの親父に小説の話はしたかな?してないな。なんで、Tilting Tomorrow知ってるんだ。純のアタマの中は不思議な感覚だった。すぐにそれを打ち消す言葉を親父が続けた。
「私も入ってるんだよね。『かつおクラブ』note見てるよ。あの物語いい話だね」
いつから入ってるんだ?火が出るほど恥ずかしい。全部、読まれてたのかな。親父の得意気な顔が憎たらしい。ほんとによくそんな顔できるな
「そうそう、Kindleとか本にしないの?」
Kindle?本?何を言ってるんだ?
Kindleは電子書籍か。読み放題には入ってるので読むのはよく使うけど、自分で出すことは考えてなかったな。
「親父、Kindle出したことあるの?」
涼しげ、いや、気だるそうな顔で親父が答えた。だから、よくそんな表情できるな。人のココロがないのかよ。
「あるよ」
顔と答えが一致してないだろ。
どうなってんだよ。
「えっ!?あるんだ。じゃあ、作り方教えてくれよ。これをまとめてKindle出版したいんだ。」
「原稿書いて出すだけ、誰でもできるよ」
親父が無表情すぎるので、ひとまず、替え芯の5本セットを3つ買った。税込み1320円
「あと二つおまけするから、全部買え」
「じゃあ、教えてくれるかな?」
「はい、税込み2200円」
(おまけとはいったい…)
あの親父のわけのわからない勝ち誇った顔は、忘れない
さくゆず
「ところで、純ちゃん。表紙とか作ってくれる人いるの?」
おまけが、Kindle出版を手伝ってくれるってことだった。気前がいいのか?適当なのか?
よくわからないおっさんだ。純ちゃんって呼ぶな46だ。親父とか言ってるけどさほど年齢変わらないだろう。
機嫌がよかったり、急に電池きれたり、波がありすぎだろ。感情壊れ気味でよく客商売できるな。とはいえ、作ったことない僕にはありがたかった。
「表紙?CANVAで自分で作ろうかと。」
見たことのない表情で親父はこちらを見てる。これだから、全くというのは顔でわかる。
「だめだめ。はじめは、原稿に集中しろ。表紙まで考えると前に進めなくなる。私が友人に頼んでおくからね。費用はいらないから」
「いやいや、そりゃダメだろ。お金は払うよ」
「まあ、気にすんな。その人も『かつおクラブ』だから大丈夫だよ」
『かつおクラブ』だから大丈夫。
普通に考えるとよくわからない理由
ただ、とても理解できる
さくゆずさん Tilting Tomorrowの表紙はこの人に頼むことになった。
そうそう、Kindleを手伝ってくれる文房具屋の親父は、『八田 零』というらしい。いかにも中二病じゃないか。
そりゃ、魔法のペンとか売りつけるヤツの名前だわ。
※つづきは、Kindle版に収録予定
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まだまだ間に合います。12月5日まで
一緒に歩こう!!
0話 スタートはここから
かつおクラブはこちら
ミイコさん ありえないすごい未来
マガジン作ったよ
主題歌
Tilting Tomorrow
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