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マッチングアプリ、探しているのは誰?

離婚してから15ヶ月経った。
シングルの素晴らしさと幸せをひしひしと感じている毎日だが、ひとつだけ結婚生活で懐く思う事があった。それはおしゃべりだ。
お互いが好きな話題を延々とおしゃべりしたあの時間は、楽しかった。
全く会うことなく、付き合う必要もなく、思いっきりおしゃべりできる男性がいたらいいのにな。
そんな要望に応えてくれるマッチングアプリあるかしら?と調べてみたら。。。。あった。

「世界中の人と‘ペンパル’になれる」のが売りのこのアプリ、とりあえず自分の求めてるものを最初に入力すると“4870人のマッチ”が見つかった。
写真を眺めるに、全体の80%はAIのフェイクプロファイルっぽい。
現にプロフィールを作るや否や、写真さえアップしてない段階でたくさんのAIさんたちから意味不明のメッセージが入った(笑)。
4870人のうち、生身の人間は何人いるんだろう。とにかくおしゃべりが目的の私は、それが出来る相手をフィルターすべく、自己紹介文を載せた。
「クレマチスの上手な育て方を知ってる方、メッセージください。それからアビシニアンを飼ってる方、いらっしゃいましたらこの猫の性格を教えてくれませんか?この時点で99.99%メッセージが来ないことは承知です。」
クレマチスは祖母が大好きだった花で、私も育てたいと何度も挑戦したがことごとく枯らして来た。アビシニアンは最近本物に触れる機会があって、常軌を逸した愛らしい猫だったので性格に興味を持った。

これで誰からもメッセージが来る事はないだろう。
ふと思う。この行動、自分の本当の目的はなんだったのだろうかと。
何かを懐かしく思い切望してるのは間違いない。
それは本当に誰かとのおしゃべりだったのか?
別れた夫へのノスタルジーなのか?
はたまた、誰かを好きになる気持ちが壊死してしまったように感じる自分への不安からなのか?

世界のどこかに、アビシニアンを飼ってクレマチスを育てる人がいるはずだ。その人と繋がる事は一生ないかもしれない。
けれどそれはとてもロマンチックだと思う。
どこかで誰かが、決して会うことのない誰かが、自分の事を探しているのだから。


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