Booking.comイベントに参加して感じた、民泊の現在地
先週の土曜日、Booking.com主催のホスト向けイベントに参加してきました。私は午後から開催された個人ホスト向けの分科会に参加しましたが、会場を見渡して驚いたのは、何人かの民泊仲間と再会したことです。Airbnbのコミュニティイベントや各種勉強会で顔を合わせたことのある方々も多く、改めて皆さんの勉強熱心さを感じました。
民泊は一人で運営することが多く、孤独な事業でもあります。しかし、こうした場に足を運び、新しい情報を吸収しようとするホストがこれだけいることに、この業界の底力を感じます。
イベントの詳細についてはアーカイブ配信も予定されているため、本記事ではセッション内容の細かな紹介というよりも、実際に参加して感じたことを中心に書いてみたいと思います。
個人ホスト向けのセッションが続きましたが、登壇者それぞれの視点が異なっていて非常に興味深い内容でした。
「民泊1年生」の歩み方を語った鳩子さん
最初に登壇したのは、Booking.com公式民泊ホストアドバイザーのぽんこつ鳩子さん。
テーマは「失敗しない民泊1年生の歩み方」。
これから民泊を始める人や、始めて間もないホストに向けた内容でした。私自身はすでに運営経験がありますが、それでも初心を思い出させてくれる話が多かったように感じます。
民泊はどうしても売上や稼働率といった数字の話に目が向きがちですが、初心者が最初にぶつかるのは運営そのものへの不安です。そんな中で、自身の経験を交えながら分かりやすく説明されていたのが印象的でした。
特に印象に残ったのは最後の質疑応答です。
時間いっぱいまで質問が続きましたが、一人ひとりの状況を聞きながら丁寧にアドバイスされていました。単に成功談を語るだけでなく、「これから始める人に寄り添う姿勢」が伝わってきたセッションでした。
有村昆さんが語る民泊プロデュース術
続いて登壇したのは有村昆さん。テーマは「資産形成としての民泊」。
映画コメンテーターとして知られる有村さんですが、現在は民泊事業にも積極的に取り組まれています。
セッションで印象的だったのは、「世界観」を徹底的に作り込む考え方でした。映画の世界で培った経験を活かし、部屋そのものを一つの作品として演出する。
桜や北斎、日本文化をモチーフにした部屋づくりや、テーマ性のある内装づくりなど、単なる宿泊施設ではなく体験を提供する発想です。
また、個人的に興味深かったのはFC(フランチャイズ)モデルの話でした。
民泊を増やしたいと思っていても、誰もが2室目、3室目を持てるわけではありません。そうした人たちに向けた新しい参加方法として紹介されており、民泊事業の拡大手法として非常に参考になりました。
体系立てられたメソッドとして説明されていた点も分かりやすく、事業として民泊を考える人には特に刺さる内容だったと思います。

SOUさんが語る「世界とつながる民泊」
3人目はSOUさん。今回のセッションの中で、もっとも人生のストーリー性を感じた内容でした。
SOさんは、うつ病を経験し、家族を支えるために民泊を始めたという経歴を持っています。絶望的な状況からスタートし、現在では複数の宿泊施設を運営するまでになった経験は、多くの参加者の共感を集めていたように思います。
印象的だったのは、単なる収益の話ではなく、人とのつながりについて語っていたことです。
家族との関係。
ゲストとの交流。
地域との共生。
そして世界中から訪れる旅行者との出会い。
民泊を通じて世界とつながることの価値を強く訴えていました。
また、地域の飲食店や観光資源を積極的に紹介し、日本の魅力を伝えることもホストの役割だという話が印象に残りました。民泊を単なる不動産投資としてではなく、人と人をつなぐ場として捉えている姿勢に、多くの学びがありました。
吉岡さんが語るBooking.com活用術
最後は吉岡拓也さんによるBooking.com運用についてのセッション。個人的には今回もっとも実務的な内容だったように感じます。
吉岡さんは金沢を拠点に複数の宿泊施設を運営しながら、運営代行事業も行っています。
セッションのテーマは、「なぜBooking.comを使うべきなのか」という非常に実践的な内容でした。印象的だったのは、「Booking.comはホテル予約サイトである」という考え方です。
Airbnb利用者は民泊を理解した上で予約する人が多い一方、Booking.com利用者はホテルを探している途中で民泊を予約するケースもあります。
つまり競合は民泊ではなくホテルになる。この視点は非常に興味深いものでした。
また、
Airbnb依存のリスク
Booking.comの集客力
写真の重要性
初期設定のポイント
キャンセル率への対応
など、運営者目線の具体的な話が続きました。
AirbnbとBooking.comを併用している私にとっても、改めて整理できる内容だったと思います。
参加して感じたこと
4人の登壇者は、それぞれ全く異なるバックグラウンドを持っていました。
初心者支援。事業拡大。人生再出発。OTA活用。
テーマは違います。
しかし共通していたのは、「差別化」の重要性でした。
ただ部屋を貸すだけではなく、どんな体験を提供するのか。どんな価値を届けるのか。どんなゲストに来てもらいたいのか。
そこを明確にしている人ほど成果を上げているように感じます。
民泊を取り巻く環境は年々変化しています。競争も激しくなっています。
それでも会場には前向きなエネルギーがありました。
今回のイベントを通じて改めて感じたのは、民泊は単なる宿泊ビジネスではなく、人や地域、そして世界をつなぐ可能性を持った仕事だということです。
アーカイブ配信も予定されているようなので、興味のある方はぜひ視聴してみてください。
