メンタルの強さは「スルー力」でだいたいわかる。
はじめに
メンタルが強い人って、
何を言われても傷つかない人だとずっと思っていた。
でも、たぶん違う。
本当にメンタルが強い人は、
傷つかない人ではなく、
傷ついても、全部を自分のせいにしない人だと思う。
誰かの不機嫌。
きつい言い方。
冷たい態度。
なんとなく刺さった一言。
そういうものを、真正面から全部受け取っていたら、心はもたない。
15年採用面談をしてきて、わかったこと。
今日は、メンタルの強さは耐えるより「スルー力」という話を書いておきたい。
空気を読みすぎる人は、やさしさで疲れる
昔の私は、かなり空気を読むタイプだった。
相手の声のトーンが少し低いだけで、
「あれ、私なにかした?」
「さっきの言い方、まずかった?」
「嫌われたかも」
そんなふうに、帰ってからも昼間の一言を何度も思い出していた。
心だけまだ職場に残っている感じ。
相手はもう忘れているかもしれない。
なんなら、普通に美味しいものでも食べているかもしれない。
でも、こっちはまだひきずっている。
あの顔。
あの返事。
あの沈黙。
もう、しつこいのは相手じゃなくて、自分の記憶の再生機能なのよ。
一回止まってくれ、ほんとに。
空気を読む人は、
相手の変化に気づける。
場の温度も見える。
人の気持ちを雑に扱えない。
でも、そのやさしさで自分まで疲れてしまうことがある。
人の機嫌まで持つと、自分が壊れる
メンタルが落ちているときほど、
人の機嫌まで自分の責任にしやすい。
不機嫌な人がいると、
「私が何かしたかな」と思う。
冷たくされると、
「私の価値が下がったのかな」と感じる。
きつい言葉を言われると、
そのままズドンと胸に入ってきてしまう。
でも、ここは本当に分けたほうがいい。
相手の機嫌は、相手のもの。
相手の言い方は、相手の課題。
相手の余裕のなさまで、こちらが持たなくていい。
もちろん、振り返りが必要なときはある。
自分の言葉や態度を見直すことも大事。
でも、何でもかんでも
「私が悪い」にまとめなくていい。
職場を見ていても思う。
やさしい人ほど、なぜか自分を責めすぎ。
ただただ、
相手が忙しかったのかもしれない。
相手が勝手にイライラしていただけかもしれない。
世の中には、
「自分のせい」以外の理由が、けっこうある。本当にある。
ここを忘れると、心がどんどん重くなる。
ストレスに強い人は、耐える人ではない
ストレスに強い人は、
何を言われても平気な人ではない。
傷つく。
イラッともする。
あとから思い出して、うわっとなることもある。
ただ、そのあとが違う。
「これは本当に私の問題?」
「相手の機嫌を背負いすぎていない?」
「この言葉、全部受け取る必要ある?」
そうやって、一度立ち止まれる。
ここが大きい。
メンタルの強さって、
心を鉄にすることではない。
嫌な言葉が飛んできたときに、
全部を胸の奥まで入れないこと。
心の入口で、
「これは受け取らなくていいやつ」と判断できること。
たとえるなら、頼んでない宅配便がくるようなもの。
ピンポンと来たからといって、
荷物を受け取らなくていい。
宛名が「相手の問題」なら、
それは相手の家に戻していい。
着払いで届いた感情まで、
こちらが支払う必要はない。
スルー力は、冷たさではない
「スルーする」と聞くと、
なんだか冷たい人になる気がするかもしれない。
でも、違う。
スルー力は、
人を雑に扱う力ではなく、
自分を雑に扱わない力だと思う。
不機嫌な人を見ても、
「今日はそういう状態なんだな」と距離を置く。
他人の評価を聞いても、
「そう見る人もいるんだな」と横に置く。
嫌な言葉を言われても、
「それ、私が全部飲み込む必要ある?」と確認する。
これだけで、だいぶ違う。
真正面から受け止めることだけが、誠実さではない。
むしろ、何でも真正面で受け止めすぎると、
心が毎日ドッジボール状態になる。
しかも、相手は全力投球。
こちらは素手。
そりゃ痛いよ。
避けていい。
よけるのは、負けではない。
自分を守るための大事な動き、堂々とスルーしよう。
人の機嫌を、人生の通知表にしない
誰かが不機嫌でも、
それだけであなたのせいとは限らない。
誰かに冷たくされても、
あなたの価値が下がったわけではない。
誰かに嫌われても、
あなたが間違った人間になるわけではない。
ここを忘れると、
他人の反応ひとつで、自分の一日が決まってしまう。
あの人が笑ってくれたら安心。
あの人が冷たかったら不安。
あの人に認められたら価値がある。
あの人に嫌われたら終わり。
それは、しんどい。
自分の心のハンドルを、
他人の機嫌に渡しすぎている状態だから。
メンタルを強くするって、
もっと頑張ることではなく、
ハンドルを自分の手に戻すことでもある。
おわりに
メンタルが強い人は、
傷つかない人ではない。
傷ついても、
全部を自分のせいにしない人。
イラッとしても、
自分を責め続けない人。
嫌な言葉を受けても、
飲み込むものと流すものを分けられる人。
耐える力より、受け取らない力。
人の機嫌まで持たなくていい。
きつい言葉を丸ごと飲まなくていい。
他人の評価を、自分の人生の通知表にしなくていい。
スルー力は、冷たさではない。
自分を守るための、ちゃんとした知恵だ。
今日のひとつ
今日これだけ、心の中で使ってみて。
「これは、私が持つもの?」
誰かの不機嫌を見たとき。
きつい言葉を受けたとき。
なんとなく胸がザワッとしたとき。
すぐに自分を責める前に、
一回だけ、この言葉を挟んでみる。
それだけで、
受け取らなくていいものが見えてくる。
全部キャッチしなくていい。
ひょいっと避けて、
今日はあたたかいお茶でも飲もう。
自分を守るって、
それくらいから始めていい。
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