mint5年/TLM9年の告白
mintが発足して、気づけば5年が経ちました。
TLMからのキャリアを合わせると9年目——もはや「若手キャピタリスト」なんて名乗れる立場ではなくなってきたプレッシャーも、じわじわと感じています。
5年前、mintが世に解き放たれた時、誕生秘話としてnoteを書きました。
とても小っ恥ずかしく、できれば書いたことも忘れてしまいたいくらいの代物なのですが、断腸の思いで見返したところ、やっぱり削除レベルだと再確認しました。
というわけで、上書き。
9年間VCで働き続けた想いと共に、改めて岡澤雄介という人間を知ってもらえると嬉しいです。
私について

1993年10月29日生まれ。
千葉県茂原市出身。(意外と茂原出身のVCは多い)
趣味はポーカー、格闘技&F1視聴、筋トレも少々。
最近のブームは自炊。
なぜVCになったのか
流れです。
最初からVCになりたくてなったわけでは全くありません。大学受験に失敗し、路頭に迷っていた中、まずは事業会社で人事のインターンとして社会に入りました。そこでCVCの発足に立ち会ったことがきっかけとなり、気づいたらmintの前身であるTLMに辿り着いていました。
2017年TLM-

(左 Hubble社代表 早川氏 /左 弊ファンドGP 木暮)
TLMの代表パートナーである、てるまさん(通称:木暮圭佑)と最初出会ったときは単純に変わった人だなあくらいの印象と、本当にスタートアップのことが大好きな方だと思いました。(小並感)
出会った後も、暇を見つけてはメッセージを交わすようになり、徐々に一緒に飲みに行くように。なぜかてるまさんとは全く関係のない、当時私が在籍していた会社の新オフィス引越しを手伝ってもらったこともありました。今思えば謎の縁です。
彼のキャラクターによるものなのか、toCサービスへの圧倒的な知見によるものなのか、てるまさんの周りには自然と優秀な起業家が集まっていました。会うたびに、
「こないだ〇〇な起業家に会ってさ、めちゃくちゃ面白い人でさー」
そんな話を繰り返し聞いているうちに、自分もいつかこの輪の一部になりたい——当時の若い私はそんなことを思ってしまっていたのかもしれません。

TLMに入りたいと伝えると、一つ返事で「オッケー」と歓迎してもらえました(本当はAzitの吉兼さんが推してくれていたと、後から知りましたが)。
2017年春、当時まだ学生だったのでインターンからのスタートでしたが、移籍後すぐに2社への投資機会をいただきました。
当時のTLMの投資テーマは、"友達に投資する"。
2社とも数年来の友人が代表を務めており、ちょうど起業のタイミングとも重なって、投資機会をいただくことができました。今ではその2社とも、私のポートフォリオの中で看板と呼べる存在になっています。
その後も10社近く投資させていただき、現時点でのTLMでの個人パフォーマンスは3x以上——なんとか及第点は保てています。
TLMを総括するにはファンドがまだ存続中なので少し早いですが、投資先の上場に横で立ち会えたことや、バイアウトの経験など、投資業務に関しては一通りTLMで経験させてもらいました。てるまさんとは喧嘩することもありましたけど、今でも引き続き最高のボスです。
正真正銘の**"エモファンド"**としてTLMを完成させるべく、残された時間はあとわずか。それでも最大限のパフォーマンスを出すべく、引き続きコミットしていきたいと思っています。
2021年mint-
TLMにジョインしてから4年、前述の通りmintとして新たにファンドを立ち上げることになりました。(経緯については過去のnoteをぜひご覧ください)
noteにも書いた通り、気づいたら合併が決まっていた——という感じだったので、心の準備は全くできていませんでした。当然のごとく、初年度は四苦八苦の連続でした。
組織体制が変わったことはもちろん、ファンドサイズが大きくなることでTLMで行ってきたシード投資の戦略も大きく変わります。mintはエモファンドではなく、シード特化のプロフェッショナルファンド。私自身の向き合い方も、そうあるべきだと意識を切り替えました。
このマインドセットの切り替えに奮闘し、時にはパートナー陣ともうまくいかない時期もありました。それでも真正面から向き合ってくれたてるまさんと白川さんには、今でも本当に感謝しています。

(右 弊ファンドGP 白川)
TLMではてるまさんと二人きりだったので、以心伝心が基本でした。それが合併で一気に6人規模の組織になり、個性が強いメンバーが揃う中で、うまくいくことも、いかないことも、たくさんありました。まさに私たち自身も、スタートアップと同じような成長曲線を歩んできたんだと思います。
キャピタリストとして9年間、同じ箱に居続けられた理由
キャピタリストの自己紹介noteといえば、興味ある領域や投資哲学を語るものが多いと思います。でも私が伝えたいのは、もう少し内側の話です。
独立も転職もせず、黙々と9年間同じファンドでキャピタリストを続けてこられた理由——それを共有したいと思います。
この9年で、多くの同志が起業し、転職し、あるいはやむを得ない事情も含めてキャピタリスト業を離れていきました。彼らを見てきた経験と、自分なりに考える「優秀なキャピタリスト像」が、少しずつ重なるようになってきました。
その答えが、**「パートナー個々の理解が圧倒的である」**ということです。
てるまさんについて3時間話せと言われたら、できます。
白川さんについて3時間話せと言われたら、できます。
武田さんについて3時間話せと言われたら、2時間はいけます。
(まだ一緒になって2年なので、ご容赦を><)
パートナー=ファンドといっても過言ではない。
彼らが考えていることが、そのままファンドの目指す姿であり、体現すべき思想です。それに深く同調した上で、自分の投資哲学を乗せて実行していく——これが私のスタンスです。
若手キャピタリストから「どうすれば活躍できるか」と相談される機会がたまにあります。みなさん大体、対外的なアクションを考えます。でも私はいつも言います。まずは内から、と。パートナー陣が何を考えているかを理解することが、活躍への第一歩だと思っています。
幸い、てるまさんとは毎日やりとりしていたおかげで、彼の考えが大体わかるようになりました。彼がわかりやすい人間なだけかもしれませんが、ちょっとした仕草を見るだけでもわかる、そんな感覚があります。
白川さんは、最初は正直全くわかりませんでした。
わからないままにしていたら、勝手にバイアスがかかって不安になる一方でした。だから、たくさん話しました。オフィスで席を隣にして、雑談込みでひたすら話し続けました。
武田さんがジョインしてすぐ、二人でご飯に行きました。武田さんは優しいので、4時間ずっと私の話を聴き続けてくれました。一緒に投資検討する機会も積極的に増やし、彼の仕事の仕方や思考プロセスを学びにいきました。
ファンドビジネスは少数精鋭ゆえ、メンバーの距離が近く、それが長く続くからこそ、逆に距離感が難しくなる瞬間もあります。そういう時こそ、対話することが大事だと思っています。めまぐるしく変わるスタートアップの情勢の中で、パートナー陣は私たちの想像の何倍も日々葛藤しています。それを少しでも理解しようとすることが、長くこの仕事を続けるための、私なりの答えなのかもしれません。
その上で岡澤がやりたいことはなんなんだ
スタートアップを取り巻く状況が良くも悪くも大きく変わり続けている中でも、私は引き続きシード投資をやっていきたいと思っています。昔からずっとそうしてきたから、というのが正直なところです。
気づいたらこの仕事に就いていましたが、辞められなかった理由はひとつです。全力で何かに取り組もうとしている人間の、一番わかりやすい存在が起業家であり——彼らと働くことがどれだけ尊いか、知ってしまったから。
投資先の経営者が、深夜に「ちょっと相談していいですか」と連絡してくることがある。事業の話じゃないこともある。採用がうまくいかない、共同創業者との関係に悩んでいる、このまま続けていいのか迷っている——そういう話が、夜中に届く。
いいことがあったとき、真っ先に電話をくれる人もいる。
何もない、誰でもない、これから何者かになろうとしている人間の一番近くにいられる。それがシードの醍醐味であり、この仕事を続けている一番の理由です。
まだ続けます、VC
最初にVCになった理由は「流れ」と書きました。
でも9年経った今、気づけば自分で居続けるための理由を見つけ、活躍し続けるためのアクションを自然と起こしていました。
全力で何かに向かっている人間を、一番近くで見続けられる仕事が——この世界にはあります。それを知ってしまったら、もう後戻りはできません。

投資哲学や興味領域を語るnoteが多い中で、あえてそこから外れた話を書きました。それでもこれが、岡澤雄介という人間の正直なところです。
これを読んで「会ってみたい」と思ってくれた方——起業家でも、就活生でも、同業でも——ぜひ気軽に声をかけてください。雑談、大歓迎です。
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